#前例の歪曲 ページ22
叫んだ瞬間＿＿
「え……？」
小人の動きがぴたりと停止した。
それだけじゃない。
小人の持っていた機械も、電車の窓から見えていた景色も。
全て停止したのだ。
こんな展開は知らない。
これは、まさか。
「オリジナル……？」
オリジナルの展開。
つまり。
都市伝説から、脱出できる＿＿？
停まった電車から窓の外を見ると、そこは丁度良く無人駅だった。
立ち上がり、椅子の下のレバーを操作してドアを開け、駅に出る。
「……」
ここから、遠くへ。
遠くへ逃げれば、この『猿夢』から脱出できるかもしれない。
そんな淡い希望を抱き、俺は歩を進め＿＿ようとした。
なのに、何故。
何故、俺は足を止めたのか。
それは。
俺の目の前にいる人物を見れば、解る事だろう。
考えなくても解るだろう。
赤茶色の髪はぼさぼさになっていて、皆から避けられる鋭い双眸からは生気が感じられないし、手には見慣れぬ大鎌を持っているけれど。
それでも彼は。
「キヨ……！」
清川恭＿＿キヨ。
俺が捜したいと思っていた友人。
何で＿＿何で。
キヨは静かに鎌を振り上げた。
きっと何も考えていない。
死にたくない。
死にたくないけど。
死にたくない。
けど、こんな『夢』の中で、キヨが迷子になっているのなら。
「＿＿帰ろう」
俺は構わず手を差し伸べる。
友達だから。
仲間だから。
助けて当たり前だろ？
「……温いなあ」
誰かが言う＿＿この声を、俺は知っている。
「お前のそんなところが、アイツを狂わせたのに」
それが何だよ。
俺は、仲間が苦しんでるの見るのは、堪えられないんだよ。
だから、誰かがおかしくなったって、俺はそうする事を辞められない。
出来る事を、してたいんだよ。
「馬鹿じゃないの」
馬鹿で良いよ。
ねえ、××××。
「何」
お前、本当はそんな事思ってないだろ？
「っ」
ね、戻ってきなよ。
皆待ってるからさ。
そんな呪い振り切ってさ。
「……うるさいな」
……無理、かな。
じゃあ……ごめんね。
俺、××××の事助けられない。
皆に謝らなきゃなあ……きっとぶん殴られちゃうな、あろま先生辺りに。
FB君も生きてたら、俺の事殴ってたかも＿＿いや、無いかな。
彼、優しいから。
ごめんね。
ラッキーアイテム？
黒猫
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ローレン - はすにゃんさん» レス遅れて申し訳ありません！ありがとうございます！何度でも見てくださると本当に嬉しいです( 〃▽〃) (2016年11月23日 15時) (
レス) id: b6c39a0d0f (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - なにこれ完成度高すぎ！？涙出るほどのお話でした！ときどき見に来ます！ (2016年9月28日 21時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - ローレンさん» え、読んで頂けてるのですか!?こちらこそびっくりです！嬉しすぎます！レスすみません、本当にありがとうございました！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
ローレン - 紫水さん» ありがとうございます！ 紫水さんの作品いつも読ませて頂いているので、紫水さんが読んで下さってると解ってびっくりしました笑 感動して頂けて幸いです！ (2016年7月21日 18時) (レス) id: 6cdcb3d4e1 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は怖いのかなと思っていたのですが、最終章ですごく感動しました。きっくんの気持ちを考えて何度涙が出そうになったことか…。とても面白い作品でした。次回作、期待させていただきます。長々と失礼しました。 (2016年7月21日 18時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ローレン | 作成日時：2016年5月19日 18時
