#思い立った ページ11
高校一年生の時。
俺はクラスの隅っこで独り三角座りしてるような奴だった。
即ち、ぼっちだった。
寂しいけれど、これで良いかななんて思ってた。
別に俺の事なんて誰も気にしないし、生きてても死んでても同じなんだろうって。
でもそんな時、彼女は手を差し伸べてくれた。
「吹雪君、良かったら遠足、一緒の班にならない？」
その一言が無かったら、俺は遠足どころか高校生活全てが独りぼっちだったかもしれない。
彼女に出会って解った事があった。
彼女は誰に対しても優しい事。
彼女はクラスメートに認識されないような俺をちゃんと視界に入れてくれていた事。
俺は意外とオカルトとかそういうのにも興味を持っていた事。
それから俺は、彼女が＿＿Aちゃんの事が、事、が……。
_
だから、彼女を待つ為にも成功すれば良いな。
『ひとりかくれんぼ』。
えーっと、必要なのは「手足のあるぬいぐるみ」と塩水、縫い針と赤い糸、ハサミ、カッターナイフ、米、自分の爪。
このぬいぐるみ、デカ過ぎるし何故か頭部が無いけど……手足はあるから大丈夫か。
で、ぬいぐるみの腹を切って綿を取り出す……。
「ん？」
ハサミだと切り辛いな。
余りに切り辛いからナイフ＿＿カッターナイフじゃない方ね、で腹を切り裂く。
で中身を取り出して、流し台に置く。
中身どんだけ入ってたんだよ、めっちゃ軽くなったよ。
代わりにお米と自分の爪を入れて、赤い糸で下手くそに縫い合わせる。
「下手くそに縫おうとしなくても下手くそなんだけどね……」
呟き、苦笑する。
Aちゃんにこんな縫い目見られたら、笑われてしまいそうだ。
そして「貸して」って奪い取られて、返ってきた時には縫い目がめちゃくちゃ綺麗になってる、と。
器用だからね、あの子。
取り敢えず。
塩水は隠れるところに置く。
……クローゼットに置いた。
あ。
ぬいぐるみの名前……は。
「ふ」
笑い出しそうになったので、慌てて押さえる。
笑い声で場所特定された事あるしね。
何故笑い出しそうになったのかと言うと、こんな時でも俺がAちゃんの事を考えてたから。
こりゃあ『A』で決定だな。
そして午前三時まで待つ。
やる事を全て済ませ、午前三時。
「……かくれんぼ、開始」
ラッキーアイテム？
黒猫
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ローレン - はすにゃんさん» レス遅れて申し訳ありません！ありがとうございます！何度でも見てくださると本当に嬉しいです( 〃▽〃) (2016年11月23日 15時) (
レス) id: b6c39a0d0f (このIDを非表示/違反報告)
はすにゃん - なにこれ完成度高すぎ！？涙出るほどのお話でした！ときどき見に来ます！ (2016年9月28日 21時) (レス) id: a55a46661a (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - ローレンさん» え、読んで頂けてるのですか!?こちらこそびっくりです！嬉しすぎます！レスすみません、本当にありがとうございました！ (2016年7月21日 19時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
ローレン - 紫水さん» ありがとうございます！ 紫水さんの作品いつも読ませて頂いているので、紫水さんが読んで下さってると解ってびっくりしました笑 感動して頂けて幸いです！ (2016年7月21日 18時) (レス) id: 6cdcb3d4e1 (このIDを非表示/違反報告)
紫水(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初は怖いのかなと思っていたのですが、最終章ですごく感動しました。きっくんの気持ちを考えて何度涙が出そうになったことか…。とても面白い作品でした。次回作、期待させていただきます。長々と失礼しました。 (2016年7月21日 18時) (レス) id: 0c5ab9ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ローレン | 作成日時：2016年5月19日 18時
