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｢いつもありがとね｣
ユンギくんのお母さんは笑顔で出迎えてくれる。
同じように階段を降りて3枚のドアをくぐる。
その奥で静かに息をするユンギくんに会うために
私は1週間通い続けた。
先生から渡される封筒がなくても
ただ、ユンギくんに会いたかった。
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『また来ちゃった』
二人きりになった地下で
いつも通り無反応なユンギくんに柵越しに話しかける。
さすがに中に入るのは危険だと感じて柵の前の壁にもたれて座る。
『ユンギくんのお母さんって優しいね』
『ユンギくんに対しては...違うのかな』
私の独り言みたいになってるけど、きっとユンギくんは起きている。
それでも何も言い返さないのにはもう慣れた。
『...私、家に帰りたくないんだ』
『それもあってここに通ってるのかも』
家に帰ればまた空気のように扱われて
ご飯を食べて寝る、それだけの場所で。
いつだって優秀な兄と比べられてきた。
それがとても窮屈で
できるならどこかに逃げ出してしまいたい。
『ユンギくん』
『私のこと、食べてくれない？』
消えてなくなった方が楽かもしれない。
血が出て痛くても、心の痛み程ではない。
心の痛みは血も出ないから
誰も気づいてすらくれない。
部屋の奥で乾いた音がして、ヒタヒタと足音が近づいてくる。
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一週間ぶりに見たユンギくんは、疲れたように柵のそばに腰を下ろした。
こっそり物置から取ってきた人の手をユンギくんに差し出すと、目の前で食べ始めた。
『私のことも、』
YG｢なんで｣
食べ終えても爛々と光る目は変わらない。
YG｢俺に食べられたい理由は何｣
袖口で血を拭う。
...
特別仲がいいわけじゃない。
私が一方的にここに通って、勝手にユンギくんを心配してるだけの関係なのに
だからこそ、かもしれない。
自分の身の上話を誰かにするのは初めてだった。
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kkkk(プロフ) - カナンさん» カナンさんありがとうございます😆楽しんで頂けたら幸いです💗最後までありがとうございました🌟 (2021年12月30日 15時) (
レス) id: 3d6535f88e (このIDを非表示/違反報告)
カナン(プロフ) - ラストに想像を超えるものが…。世界観も良くて一気に見ちゃいました！とても良かったです！ (2021年12月27日 6時) (レス) @page37 id: 7156131372 (このIDを非表示/違反報告)
雪塩 - これめっちゃ好きです、、このダークな世界観が好きです (2020年5月13日 22時) (レス) id: abd4736f58 (このIDを非表示/違反報告)
いさな(プロフ) - 単行本だしでぐだざいいいいぃぃぃ（泣）めっちゃ大泣きしましたぁぁああ泣 (2019年2月24日 23時) (レス) id: 7913cd6adf (このIDを非表示/違反報告)
Haru Haru - こんばんは!!う''わ''〜!! 感動しました。最後の最後までどうなるか分からなくて、死んじゃったと思ったけど、最後のページでこの先いつまでも傍にいる事出来る事が分かって安心したし、本当に感動しました！素敵なお話ありがとうございました!! (2019年2月12日 18時) (レス) id: 877a29c23d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芙 x他1人 | 作成日時：2019年1月24日 22時
