【文スト】転ﾄﾘしたらヨコハマにいました...(1) (ページ43)

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35話【手紙②】ページ43

［○月△日

貴方には貴方の異能のことについて知ってもらおうと思い、このことを書き残します。

貴方の異能【凛として咲く花の如く】は影を操る異能。

影を好きなように操れて、小さいときはかくれんぼがすごく上手だったわ。

でもね、その異能は裏を返せば暗殺向けの異能なの。
“敵の影から突如敵の背後を襲う”なんて裏社会の人間が聞いたら喉から手が出るほどほしい異能になってしまう。

だから、貴方に私達の異能を譲渡した。ちゃんと譲渡できたのかしら？

きっと特一級異能力者の異能を2つも所持しているってだけで、特務化が貴方を守ってくれる。
そう考えたの。

私達は特務課に恩を売るほどいろんなことをしてきたから大丈夫よ。
ちゃんと頼ってね。

それに、貴方には私達には使いこなせなかったけど私達の異能で人を助けてあげてほしいの。

大丈夫。貴方なら使いこなせる。
私達の異能は殺戮に特化してたけど、それって裏を返せば人を助けることができると思うの。

だから、ちゃんと使ってあげて。

この異能で人を助けてあげて。

貴方が思うようにこの異能たちを使うのよ。

貴方がしたいと思うように。

貴方はこの世界に生まれ落ちたかわいい私達の子供。

この世界に生まれてきた子供。

違う世界のことは考えなくていい。

運命が貴方を引き寄せただけなんだから。

A、ごめんね。守ってあげられなくて。

でも、瀬戸桜の名字を捨ててAはAとして生きてほしかった。

AがAらしく生きるには、私達はいらない。］