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両親は、私が小学校の頃に離婚した。詳しい理由はよく知らないが、毎日のように喧嘩したり、罵声が飛び交ったり、暴力が飛んだりしていたのは覚えている。私は父親が嫌いだった。何かと気持ち悪いくらいベタベタつきまとってくるし、家事を母に任せっきりで一切手伝ったりしないからだ。だから、離婚するという話を聞いたときも、ああ、やっと母は父から解放されるのか、と、小学生ながらに思っていた。私たち姉妹は、母について行くことになった。

同時期に、母にガンが見つかった。確か、離婚した後すぐだったと思う。母はそれまで続けてきた仕事を辞め、生活保護と母子手当での生活が始まった。

 家に籠もることの多くなった母は、暇つぶしにゲームをするか、病院に行くか、実家に帰るかの生活になった。私は、時々妹と一緒に、父のところへ行き、小遣いをもらう生活をしていた。別にその暮らしに不自由はしていなかった。

私がこの家で生活していて、一番求めていたのは、「褒められる」ことだった。
母は高校を中退しているため、最終学歴は中卒。
姉は前期で合格できる高校にこだわり、県内でもかなり偏差値の低い学校に通った。
妹は問題児と呼ばれるほど、よく言えばヤンチャしていたせいで、定時制の高校に通った。
私は、出席日数が大幅に足りなかったため、前期入試には合格できなかったものの、
後期も同じ高校を受験し、(奇跡的に)合格することができた。

つまり、学歴としては一番なのだ。
しかし、妹は県内トップレベルの高校の定時を三年で卒業した。
ということは、履歴書が(学校で判断するわけでは無いが)私よりも有利というわけだ。
私には、それも気にくわなかった。

だが、文句は言えなかった。
妹も姉も、高校3年間アルバイトを続けていた。
私もアルバイトをしようとしたが、部活もあり、すぐやめてしまった。私には、同じ職場に通って働くことができなかった。どうしても、人間関係が合わないのだ。

この頃は姉ともそこそこ仲がよく、姉の紹介で派遣のアルバイトを始めた。
何度か行ったが、結局半年ほどで辞めてしまった。人間関係は気にしなくて良いため、気持ち的には楽だったが、 朝早くに家を出て、夜遅くに帰る生活や、派遣先までの距離が遠すぎることから続かなかったのだと思う。

その点、姉妹たちは何年もアルバイトを続け、妹に関しては自分の学校費や生活費等を稼いでいるのだから、たいしたものだ。

だが、この事実も私を追い詰めていった。

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設定タグ:不登校 , 実録 , 体験談   
作品ジャンル:エッセイ/日記, オリジナル作品
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一緒に書いていた者 - あの時どんな気持ちだったのかちょっとだけ知れた気がする。こうして見れるかたちにしてくれてありがとう。今も元気で楽しく暮らしていたらうれしい。また会おうね! (3月1日 13時) (レス) id: 2ebf34ff0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:TAKI x他1人 | 作成日時:2020年3月10日 23時

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