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よん ページ4

高校は後期でなんとか受かり、憧れていた声優に近づくために、演劇部に入った(成り行きで生物部にも入ったが)。
自己嫌悪と人間不信は治らなかったが、今までの自分を変えようと、積極的に話したり、役をもらったりした。演劇部の人数は少なかったが、私は先輩を尊敬していたし、みんな面白い人たちばかりで、楽しかった。しかし、私の自傷癖はエスカレートする一方であり、時には廊下に血溜まりを作るほどの傷を作っていた。

二年生になり、3年生の先輩が卒業した。私は、卒業した先輩と交際関係にあった。だが、その先輩は、私の他に彼女がいた。いや、けっして、その先輩だけが悪いなんてことはないのだ。事実、私の方が後に付き合い、その前にもう彼女が居ること、そしてその彼女が同級生(で同じ演劇部員で、普段一緒に帰る友達)であることは知らされていたのだ。
だけど、私は先輩が好きだった。いや、今でも好きだと思っている。でも、目の前に居る友達と先輩は付き合っているんだと考えたら、いつもの発声練習にも読み合わせにも集中できなかった。

幸いだったのか、私と先輩の家はとても近かった。その友達と駅で別れた後、しばらくは二人きりで話す機会があるのが、私にとってはこれ以上ないぐらいの幸せだった。その時間を使って、私は一生懸命好かれようとした。何でも先輩の好みに合わせた。そうすれば、申し訳ないが、友達よりも私を選んでくれると企んだのである。その甲斐があってか、私とも付き合ってくれると言い出したのだ。初めは、いずれ私だけを見てくれるだろうと思い、了承した。そのときは、先輩と付き合えた、という事実だけで十分幸せだった。

先輩も演技が上手かった。一年の頃から色々な賞を取っていて、地区の中では有名人だった。そんな姿に憧れ、二年に上がると学級委員に立候補し、演劇部の部長に立候補し、生物部の副部長にもなった。定期試験では平均点以上出せるように、先輩と、もう一人の彼女と勉強したりして、毎回クラス順位は両手に収まるようにしてきた。演劇部では主役を何度も務め、正直精神的にかなりしんどい時期だった。しかしどれだけ頑張っても、どれだけ結果を出しても、中学の頃から母は見てくれなかった。

ご→←さん



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設定タグ:不登校 , 実録 , 体験談   
作品ジャンル:エッセイ/日記, オリジナル作品
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一緒に書いていた者 - あの時どんな気持ちだったのかちょっとだけ知れた気がする。こうして見れるかたちにしてくれてありがとう。今も元気で楽しく暮らしていたらうれしい。また会おうね! (3月1日 13時) (レス) id: 2ebf34ff0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:TAKI x他1人 | 作成日時:2020年3月10日 23時

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