らびっとぼーい 3 ___Ryosuke.Y (ページ26)

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かなり夜も更けたころ、書類をまとめていたあたしの
背中から眠っていたであろう涼介の腕がまわってきた

｢ごめん、起こした？｣

涼介｢いや、目覚めただけ｣

｢寝ててよかったのに｣

涼介｢やだ｣

吹っ切れたはずの恐怖がまた押し寄せてきて、
さっきよりも元気をなくしていた涼介

｢くるしい～｣

涼介｢もう今日は離さないもん｣

あたしはその恐怖や不安を消す方法を知らない

でも、せめて忘れれるくらい元気になってくれたら
それだけでいい

だから、慰めるのは最初だけ。

今は忘れるくらいいちゃいちゃして、涼介の心から
恐怖と不安を取り除く

涼介｢暖かいね、Aさんの手｣

ぎゅっと握ったり柔らかく握ったりして、あたしの手で遊ぶ

｢涼介も暖かいよ｣

涼介｢愛のパワーのおかげかな｣

｢ふふっ、何それ｣

涼介｢ Aさんの熱々の愛のパワーを手で受け止めてるからね、俺｣

男の人の割に少し小さめな手を広げる涼介

その小ささがかえって安心感を与えてくれてるのかもしれない

｢じゃああたしも涼介の熱々な愛のパワーのおかげ？｣

涼介｢そーゆーこと！｣

｢ …って、あれ？だんだん冷えてきたかも｣

涼介｢ちょ、そんなことねぇよ！！｣

こうやってコロコロ表情を変えてるだけでも、少し忘れることが出来るはず

だから大丈夫。心配しないで

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