イフリート unrequited love �察�9 ページ12
no anyone side
『私の場合も、そうですよ』
半端な姿勢だったAが
鳶座りに座り直すとパラリと小さな石礫が転がった。
緊張気味に下唇を噛んで
何もない左側に向けられていた目線が
覚悟を決めたように動いて
真っ直ぐエイトを捉えた。
エイトはぺたんと座るAの前で
ポカンと薄く口を開けている。
「…そう、とは」
『わっ私だって
どっちかというと
とか
何人かいるうちの
とかじゃなくて』
「・・・うん」
2人ともすっごく目を逸らしたかったが
できなかった。
いい年して
なんて幼稚な表現だと
理性が鼻で笑うのに
期待と不安でいっぱいで
しっかり見ていないと耐えられない。
『キスしたいのは
"だけ"です』
「それは、僕だけ、って繋げていいの？」
コクッと頷いた。
「僕…A先生、好き、なんだけど」
コクッ
「今の、話は、期待していいのかなって思ってる、けど」
コクッ
「カルエゴ卿…好きじゃ、ない？」
・・・
こ、くん
エイトが一歩前に出て
Aの目の前でヤンキー座りした。
座り方に反して
表情は宝物を前にした子供のような
キラキラした瞳と蒸気した頬。
「じゃあ、さ」
さっきよりも近い距離で見つめあって
2人息を飲む。
「僕が、好き？」
Aはもう一回だけ心の中を整理した。
深呼吸しようとしたら浅く吸って吐いただけになってしまったけど
"一緒"を色々想像できるのも
パンツを洗えるのも
キスしたいのも
誰にも取られたくないのも
エイトだった。
今までより長い溜めに冷や汗かきそうなエイトを真っ直ぐ見たまま
ゆっくり頷いた。
ビクッ
それを見たエイトは
驚きのあまり一瞬体を跳ねさせたかと思うと
眉尻を下げて覗き込んできた。
垂れた耳と尻尾が見えるかの様な
まるで不安げな犬。
『？』
「本当？」
普段と同じつり気味の目のはずなのに
甘えて縋るような目で心配そうにAを見ている。
"僕のこと、ほんとに好き？"
"そんなことあるのかな"
その純真が目からこぼれてしまいそうなくらい伝わってくる。
1年以上、2年近く気持ちをひた隠し
数ヶ月間、陽動的演技を飄々としてきた
演技派とは思えない感情ダダ漏れの仕草。
《なんだか、かわいい…》
あまりのギャップにたくさん横道に逸れる感情を修正する。
『本当、です
私、が、好きなのは
イフリート先生だって気づいたんです』
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ジア(プロフ) - サランさん» オリアス先生読んで下さって嬉しいです！リード君夢の時より情けないオリアス先生にそんな風に言っていただけて…ありがとうございます。奥座敷も早速ご覧下さったのですね〜！そのお2人は参戦予定でございます…機会がありましたら是非よろしくお願いしますっ (2023年4月7日 23時) (
レス) id: d7f57840b3 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - オリアス先生の話好きです！かっこいいだけじゃないのがまた素敵です！更新いつもありがとうございます♪追加で、あちらにコメントは恥ずいのでこちらに。奥座敷、イフリート先生ダリ先生楽しみにしております！マルバス先生もいつか？！ (2023年4月7日 20時) (レス) @page27 id: 61588fc94f (このIDを非表示/違反報告)
ジア(プロフ) - 胡蝶さん» 感想お聞きできて嬉しいです！キュンキュンして頂けて良かったです！変態の域に達してまで片恋を貫いた彼には幸せになってもらいたい…イフリート先生頑張って！いつも元気をいただけるコメント本当にありがとうございます〜！高ぶりと感謝を倍返しさせて下さい (2023年4月1日 7時) (レス) @page13 id: d7f57840b3 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - イフリート先生とダリ先生の話が大好きな者です。今回のイフリート先生の話…待ちわびた回にもうキュンキュンが止まらなくてキュンキュンキュンキュン！！でした。この感情の高ぶりと感謝をどう伝えればいいかと混乱していますありがとうございます今後も楽しみです！ (2023年4月1日 2時) (レス) @page13 id: 9d3390a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ジア(プロフ) - ゆきんこさん» わぁ！ゆきんこさんコメントありがとうございます。節目の回に反応いただけてとても嬉しいです！むずむずして下さいましたか…幸甚です…恐らく今後も頭のネジを探す必要のあるイフリート先生をよろしくお願いいたします！ (2023年4月1日 0時) (レス) id: d7f57840b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジア | 作成日時：2023年3月26日 17時
