百合ヶ丘総合病院 (ページ6)

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伊沢家の事情ページ6

水上side

加藤家の事情を話したんだから次は伊沢家事情だね。

凪ちゃんが生まれたのは俺たちがまだ医学部の6年の時。

あいつ、妹ができるって聞いてすごく喜んでいたなぁ。

もちろんだけど、俺たちも友人に妹ができるって事でそれは嬉しい事で。

山本とか須貝達は何をして一緒に遊ぼうかとか色々考えていたんだ。

そんな楽しんでいたのも束の間。

生まれた凪ちゃんは、心臓に障害があることが判明。

おまけに左脚に麻痺があり、歩くのが少ししか出来ないことが判明した。

心臓の方は佳奈が紹介してくれた木村拓哉先生によって良くなったんだけど、今度は喘息。

木村拓哉先生っていうのは、心臓外科のエキスパートで、佳奈が保育園児時代から高校生までの間に心臓の弁膜症を治してくれた経験のある先生。

アメリカなどの海外の病院にも行った経験もある先生だよ。
因みに、医療事務スタッフのリーダーの工藤静香さんは、木村拓哉先生の奥さん。で阿部と佳奈達とは家族絡みで仲が良いんだって。

「何で、凪ちゃんだけこんな過酷な道なんだろうね？」

って感じだよね。

でも、流石は病院。

就職したここ、百合ヶ丘総合病院では、事情をみんなが相談にのってくれて、おまけに通院先をここの病院に変更することで周りが支えやすい環境にしてくれたんだ。

拓司は凪ちゃんの為に総合医になって、さまざまな症状に対応できるように勉強してる。

凪ちゃんのご両親はどうしているかって？

凪ちゃんに病気があるって分かった瞬間にノータッチになったんだって。

それだけども拓司が何とか話して資金援助だけはしてくれるとか。

みんなが医療の知識を持ち寄っているからさまざまな症例だったり治療方を教えてくれてね。

おまけに、医療事務スタッフの佳奈ちゃんは、心臓関連の手術を経験した過去がある。(しかも、主治医が今現在ではこの病院内の医師)

しかも、喘息持ちだから現在進行形で相談に乗ってもらえるというベストな状態。

しかも、同じような環境で加藤シゲアキさんがいて、娘の柚凪ちゃんも病院に入院してる病弱児コンビが結成されて。

先輩の意見も聞けるとあってそれはそれは大助かり。

それをご両親に説明したところ、是非お願いしたいとの事で今に至るんだとか。

ここのスタッフ達は全員が患者さんに理解を示してくれて、サポートしてくれるありがたい環境。

あと、外来に行かなきゃいけない時に他の人が場所を変わってくれたりするからめちゃくちゃ有難い。