1.青い傘 SG ページ2
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この日はラジオ収録。僕とジョンハニヒョンとAヌナの三人で出演することになっていた。
他のメンバーもそれぞれスケジュールがあって、すでに事務所に向かってしまっていた。
僕たちは宿舎からそのまま収録場所へ向かうことになっていたから、リビングでのんびり過ごしていた。
つけっぱなしのテレビ。
アナウンサーが今日の予報は雨だと言っている。
テレビの音に混ざって、外から雨の足音が聞こえ始めた。
Aヌナは窓に雨の水滴が付いたのに気がついて、リビングでぼうっとしているジョンハニヒョンに駆け寄った。
「オッパ‼ 雨降ってるよ!」
JH「あーあ、最悪だね」
「なんで?素敵じゃない」
JH「髪の毛が崩れやすい、ズボンの裾が濡れる。良いこと、なんにもない」
「ウソ。…だって雨降ったら傘差せるじゃない」
JH「傘…ああ、そっか」
ヌナは気に入ったものを比較的長く大切に使う。
ただ、傘に関しては別。
すぐに傘の骨を2、3本折ってしまう。
だからつい最近、Aヌナに大きな青い傘をジョンハニヒョンが買ってあげていた。
いつもすぐに壊してしまうから、今度は骨が16本ある折れにくいものにしたみたい。
JH「傘、使いたかったんでしょ」
「ようやく使える。嬉しい」
ニコニコ幸せそうに笑うAヌナ。そんなヌナにヒョンも満更でもなさそうな表情を見せた。
ファンやスタッフさんは、お節介なジョンハニヒョンが頼りないヌナを助けてあげるという関係だと思っているけれど、
実際のところは違うんじゃないかなと、僕は思ってる。
SG「でもヌナ、今日はあんまり差す場面無さそうだけど…?」
「スングァナ、なんでそういうこと言うの」
SG「いやヌナ、いじわるじゃなくて…」
JH「Aが楽しみにしてるのに、どうしてそういうひどいこと言うのさ」
SG「そういうつもりじゃなかったんだけど…」
面倒なやつに捕まった。
ヌナばっかりに甘くて、ヌナにちょっと突っかかることをすると、ヒョンが飛んできてボコボコに貶される。
はあとため息をついて、なにか言い返そうと思ったときにはすでに、二人は部屋の窓から外を眺めていた。
たくさん降ってきたねと嬉しそうなヌナ。
ヒョンはそうだねって、優しい笑顔を返す。
さっきあなた、最悪だって言ってたじゃない。
今日は面倒な二人と一緒かあ…なんて、もう一回ため息をついた。
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作者名:ジェンガ x他1人 | 作成日時:2020年7月18日 12時