0.束縛 JH ページ1
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「それはもう束縛に近いよ」
よくメンバーからも、マネージャーさんからも、いろんな人に呆れた顔をされる。
そう言われれば、オフの日にどこに、誰と遊びに行くのか確かめたり、携帯のパスワードを教えさせたり、他の男性アイドルと話すときは必ずオレも混ざったり…ほんの少しだけ干渉しているのかもしれない。
「A、オレ、しつこい？」
「ん？そんなこと思ったことないよ」
「だよね、ほら」
時々不安になって、気持ちを確かめる。Aから嫌われたら、傷つくなんてもんじゃないから。
でも決まってAは、そうやって返してくれる。本人が気にしてないんだから大丈夫だろうと言うと、くれぐれも愛想を尽かされないようにねと苦笑いをされるのがお決まりだった。
周りも自分もどうしてAにそこまで構うのか、気付いているけど、当の本人は全く気づいていない。
「オッパはお家でもお兄さんだから、私にもそう言ってくれるんだよ」
いつだったか、オレがAのことを好きなんじゃないかという質問に、そんなふうに答えていた。もどかしいかと言われればもどかしいけれど、今はオレの気持ちに気づいていないことの方が救いだった。
Aは95年生まれのオレより一つ年下の96年生まれ。
セブンティーンの紅一点。
デビューしたときはアンチも多くて、Aだけいろいろな嫌がらせや批判を直接受けることがあった。
「ジョンハンはセブンティーンのお母さんって言われてるけど、本当はA専属のお母さんだよね」
Aが傷つかないように。
オレができる限りのことはしよう。
そうやって一生懸命、Aの面倒を見ているうちにファンには「A専属のお母さん」というレッテルが付けられ、メンバーには呆れられ…。
でもオレはそれでよかった。周りに呆れられていたとしても、Aに自分の愛情を注げるのならそれで満足だ。なによりAをかまえば構うほど、嬉しそうに笑い、オッパと懐いてくれるAが、愛おしくてたまらないんだから。
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作者名：ジェンガ x他1人 | 作成日時：2020年7月18日 12時
