# ページ27
:
「こないイカれたおっかない女どこがええねん。悟君も趣味悪いなァ」
『…。』
「冗談や。悪ふざけが過ぎたわ、堪忍なぁ。」
息が詰まりそうな殺気と宙に浮いた肉団子。
久々に感じた恐怖心を誤魔化しながら
後ろの部屋に気配を感じゆっくりと障子を開ける。
「……ぅ……ん?」
『恵。』
「!…Aっ」
目を覚ました恵君の元へ
こっちには目も暮れずに歩み寄る香月。
「…。」
『…。』
一瞬の隙を狙い、
術式でガラ空きの香月の首を狙いコマを打つ。
この距離
恵君を見て気の抜けたこの瞬間なら_
「…っあ“…!?」
『 … 』
あの細い首に手が届きかけた瞬間、
自分の腕が潰れる音と痛みが走る。
「ッッ……__」
何もなかったかのように、
振り返りもせず、
しがみつく子どもを抱き上げ、
返り血で汚れた顔で綺麗に笑いかける目の前の女。
これはあかん。
__こいつは、やばい。
____振り返ったら…
『……。』
膝をついて腕を押さえる俺を
うっすらとわらいながら見下ろす。
今まで見てきたどんな醜い呪霊より
よっぽど恐ろしい化け物。
「…ッ」
_殺される__
「A?」
『ん?』
「早く帰ろう。たぶん津美紀が心配してる。」
『ああ…_、そうだね。分かった。』
立っとるだけで息切れしそうな空気が一気に収まり、
浮いとった術師達は一斉に地面に落ちてくる。
辛うじてまだ息はある。
手加減しとったんか、気まぐれか。
どちらにせよ
俺が死んでへんのは
恵君の一言であの女の気が変わってくれたおかげや。
『津美紀は大丈夫。うちで悟と一緒にいる。今日は二人とも泊まっていいよ。』
「……ん。」
「…はああぁ。…追って連絡する。車も使え。」
『分かった。屋敷汚してごめんね。』
「ハッ、…思ってもないだろうが。」
『まあね。』
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←#
694人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sou(プロフ) - 縞さんの呪術の作品全て拝見しました!!チューベローズの作品とても好きだったのでこちらもにまにましながら読みました!完結お疲れ様です♡♡ (2022年2月16日 9時) (レス) @page27 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
もぐ - 主様の作品の大ファンです。原作に忠実な登場人物たちや丁寧で綺麗な文章が本当に大好きです。もう書くことを辞めてしまったと存じますが自己満足でコメントさせていただきました。これからもずっと大事に読ませていただきます。素敵な作品に出会わせてくれてありがとう (2022年2月3日 4時) (レス) id: 21668848fc (このIDを非表示/違反報告)
セキララ - 私も恵とパパ黒好きなんです!(強さに惹かれた。もちろん顔も)周りの子はほとんど狗巻派なので少し悲しい。やっぱり1番は五条悟ですねw (2020年12月14日 20時) (レス) id: b7451699de (このIDを非表示/違反報告)
縞(プロフ) - セキララさん» 最初に好きになったのは五条先生ですが今は夏油や伏黒パパも同じくらい好きです。 (2020年12月14日 15時) (レス) id: c197e34fed (このIDを非表示/違反報告)
セキララ - 最近読み始めて止まらなくなり、すぐ読んでしまいました…続きを楽しみにしています!五条悟好きですか? (2020年12月14日 6時) (レス) id: b7451699de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:縞 | 作成日時:2020年10月19日 3時