貝 原 茂 平 と 恋 を し よ う。

ロミオとジュリエット ページ7

『ああロミオ、あなたはどうしてロミオなの』


夢を見た。

高い塔から顔を出し、金色の髪を揺らして、私へと手を伸ばす美しい女性。

私がロミオなら、彼女はジュリエットだろうか。


「ロミオとジュリエット……叶わぬ恋、か」


ふと隣のベッドを見る。

そこで寝ているのは実妹のA。

そして、私が叶わぬ恋をしている相手。



「ん、お兄ちゃん？眠れないの？」

「大丈夫。もう寝るよ。少し、おかしな夢を見ただけだから」



Aは納得したのか、私に背を向けて眠り始めた。

と、思ったがAが寝返りを打って私の方を向いて目が合った。


「私も、変な夢見たよ。私がジュリエットで、ロミオに話しかけてるの。あなたはどうしてロミオなのって」


これは偶然なのか。

それとも、私たちの前世はロミオとジュリエットだったのだろうか。



「A、今日は一緒に寝ようか。ほら、おいで。叶わなかった恋を、叶えるために。この世界でくらい幸せになろう」

「うん。私、お兄ちゃん大好きだよ」

「お兄ちゃんもだよ」



今日から毎日一緒に寝てやる、とAの寝顔を見て思った。




『ジュリエット、私はいつまでもあなたを愛しています！何度舞台を変えようと、何度時代が過ぎようと！必ずあなたを見つけ出します！だから、迎えに行くまで待っていてください』

暖かいですね。→←二十程年上の人

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