貝原茂平と恋をしよう。 (ページ6)

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二十程年上の人ページ6

小麦色の妬けた肌と、程良く筋肉のついた足と腕、兄とは似ていない切れ長な目とピンクの唇。

翔くんの妹の、武藤A。

今は中学生で、部活動はソフトテニス部。

「貝原さん！これ、意味わかんない……」

「頭の中身は兄と同じようですね」

「……？翔ちゃんがどうしたの？」

いいえ、と言ってAちゃんが私の元へ持ってきた数学の問題集を見ていく。

やはり、いつもと同じところでつまづいている。

「ここ、昨日も教えましたよ。これをどうするんでしたっけ？」

うんうんと唸って、難しい顔をしたと思ったらパッと明るい顔に、そしてまた難しい顔に。

そんなコロコロと表情の変わる彼女は、すごくすごくかわいい。

私は二十程年下の彼女に恋をしているらしい。

「あ、できた！これであってる？」

「ええ、合ってますよ。…………相変わらず、かわいい字をしていますね。私の好きな字です」

「えっ、な、な、なに言ってるんですか！やめてください！」

顔を赤くして問題集で私を叩く彼女が、その姿がまた可愛らしい。

というか、頬を赤くしているのは照れているのか、それともただこういう話に慣れていないのか。

前者だと嬉しい限りだが。

「そういうこと言われると、本気にしちゃいますよ？私、翔ちゃんに似て馬鹿だから」

脈アリ、これは喜ぶしかない。

気付けば私の顔も、赤くなっていた。