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待ちくたびれましたよ ページ17

「今日は七夕ですよ。知っていますか?織姫と彦星の話を」

「それくらいは知ってますよ。引き離された織姫と彦星が年に一度会える日ですよね?」

「そうです、その点私とAさんは毎日会えていて、引き離すような人もいない。幸せですね」


真面目な彼から七夕の話が出てくるとは思わなかった。

案外ロマンチストなのかな、と顔を見ると彼は首を傾げた。

少し揺れる髪がかわいいなんて。



「でも、たまには会わないことがあっても新鮮味があって楽しいかもしれませんよね」



私が思ったことを言うと彼は目を見開いて、私の肩をギュッと掴んだ。


「それはダメです。絶対にダメです」

「どうしてですか?」

「それは…………私がいつでもあなたに会いたいから、じゃダメですか?」


いいですよ、と私は彼の手を掴む。

外から狩屋さんの歌声と足音が聞こえてきた。


早く離れないと、こんなおかしな場面を見られては気まずい。


「……あの、また後で話しましょうね」


少し赤い顔の彼がかわいくて、手を伸ばして少しだけ頭を撫でてみる。





「おっ、二人ともお仕事ご苦労様!」

「狩屋さんもお疲れ様です」

「翔くんに用があるので、行ってきます」

「はい、いってらっしゃーい」




部屋を出てから、ニヤニヤと顔が緩んでしまう。

彼の赤い顔と、撫でた頭の柔らかい感触。


織姫と彦星にはならないけど、王子を待ち侘びるお姫様にならなってもいいかもしれない。


なんて思ってしまった。

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設定タグ:貝原茂平 , 民王 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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カス鮫作戦たいちょー(プロフ) - メルハさん» ありがとうございます!頑張ります! (2016年6月16日 20時) (レス) id: 89fa406ed5 (このIDを非表示/違反報告)
メルハ - 頑張って(*^_^*)b (2016年6月15日 10時) (レス) id: ab18974d96 (このIDを非表示/違反報告)
カス鮫作戦たいちょー(プロフ) - 未来さん» ありがとうございます! (2016年2月24日 12時) (レス) id: 89fa406ed5 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 頑張ってください!面白いです! (2016年2月24日 7時) (レス) id: e056ecf42a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カス鮫作戦たいちょー | 作成日時:2016年2月20日 13時

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