貝原茂平と恋をしよう。 (ページ14)

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朝には弱いままでいたいものですね。ページ14

「おはようございます。私が起こしに来てあげたんですから、起きないのは許しませんよ」

カーテンをバッと開けて布団を引っぺがすと、布団の上で小さく丸まっているA。

彼女は朝に弱くて、目覚まし時計やアラームでは到底起きられないので私が起こしに来ている。

「……はい……起きます、から、…………布団を、返して……」

「返したら起きないでしょう。ほら早く。朝ごはん、好きそうなパンを買っておきましたから」

「パン……食べます、起きます……」

目をグイグイ擦って、ゆっくりゆっくりと起き上がる彼女は窓から差し込む光が当たって光り輝いている。

ああキレイだなあ、と思う。

思わず美しい彼女に手が伸びてしまいそうになり、気づかれる前に手を引っ込める。

「パン、ありがとうございます。とても美味しかったです。では、着替えてきます！」

「ちょっと待って。パンのカスがついていますよ」

少しくらいならいいだろうと彼女の柔らかそうな頬に触れる。

彼女の頬は予想通り柔らかくて、幸せな気分に浸れる。

「あ、あの、もういいですか？早く着替えないと時間が無くなっちゃいます、！」

無意識のうちに頬を触り続けていたらしい。

私に背を向けた彼女の耳が、真っ赤に染まっていたのは何かを期待していいのだろうか。

「貝原さん、今日、夜ご飯一緒にとか、どうですか？」

「……いいですよ、朝まで一緒にいてもいいですか？」

「朝までと言わず、ずっといてくれてもいいん、ですよ？」

「ふふっ。この話はまた夜、しましょう」

ああ、光なんて当たっていなくても彼女は美しいじゃないか。