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七【煉獄side】 ページ7
【煉獄side】
きっと時透も、心から彼女を慕っていたのだろう。
思えば、剣士を諦めてからのAは、多くの隊員達を治療し、気にかけ、笑顔を向けているようだった。
そんな彼女を慕う者は、少なく無かった筈だ。
そうゆう者達からも、俺はAを奪ってしまったのか…
罪悪感を感じながら、はだけたAの寝間着を整え布団をかけ直してやる。
彼女の白い肌には、時透が付けたであろう痕がいくつも残っていた。
それを見て俺は、正直悔しさを感じた。
Aの想いを知り、他の誰よりも、自分が彼女の近くにいると思っていたのに…
例えAが目を覚ましたとしても、俺は時透のように彼女に触れることは出来ないだろう。
大切に想うからこそ…越えられずにいる一線がある。
俺はAの隣に座ると、布団の中にある細い指を両の手で握りしめる。
そして、どうにもならない胸の苦しさに耐えるように、一つ重い息を吐いた。
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作者名：mina | 作成日時：2020年11月30日 9時
