[男主]『あのさ、悪者はヒーローを愛しちゃいけないわけ？』[ＢＬ]

愛が　１５ ページ16

火邨 ひいろside



「好きすきす..きスキスキスキ


嗚呼、愛シテル…」



Aくんの首を絞めながら、
僕は囁く




このまま、
殺して自分も死にたい




そしたら、
幸せは逃げない



ずっと二人のモノ


ねぇ、返事を聞かせて？

と、問うと
今にも弾け飛びそうな程眩しい笑顔でこう答えた




「好キ
大好キ
愛シテル…


あはぁ、幸せデ沈みソウ...」



「僕もだよぉ…
Aくん、Aくんん………」



手が痛くなってきた



手を組んでポキポキすると、
気持ちいい軽快な音が聞こえた




手を離してやったあと、
Aくんに目をやるとそれはもう恍惚とした笑みを浮かべていた



ソレは
、猟奇的な狂喜がまじった笑みだった





かわいい、可愛いね




この肉がついていない過細い指

なめ回したい程、
清んだ宝石のような瞳



ふさふさの髪の毛



高い鼻


淡いぴんく色の、
小さな唇



それになんといっても、
白く過細い首についた手の痕



Aが愛しくて、
Aくんが可愛くて、
Aくんが美しくて、
優しく優しくAくんを抱き締めていたら僕の胸のなかでAくんは
『う"ぐっ……っっ』

と、嗚咽を漏らす



さっきより凄い力で抱きつくと、
胃や、腸が圧迫されてか盛大に吐いた




僕がやった美味しそうな食事を、
粒のような涙を流しながら吐きつづけるAくん



美と醜悪のコントラストが、美しい



凄みで僕は、
溜め息をつくとAくんは勘違いをしたのか慌てて、
そばにあったボロ雑巾で口をふき涙目で見つめて一瞥したあと、
土下座した



踏んでくださいというかのように腰をふり、度々此方を見つめる


そんなAくんを踏まずにかわりに僕は、Aくんを抱き締め唇を奪った




Aくんの瞳をのぞくと、
そこには失望感、喪失感、




可愛い可愛い可愛い…………



僕の可愛い愛しい人の
悲しみが、憂いが、涙が、清すぎて美しくて儚くて
僕は、乾いた笑いを部屋に響かせた

愛は　１６→←愛なんて　１４

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
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西 - この方角に福があるはずです

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