95 ― 座席 ― ページ18
通行の邪魔にならないところまで移動して、
折りたたまれた状態で渡されたチケットを開いた。
「！！」
桜「スタンド1塁側、下段、3列目！！
凄いいい席！」
私が持ってたチケットを覗き込んで桜さんが歓喜の声を上げる。
3列目！？
これなら潤に気づいてもらえる？？
すぐさま席に向かいたかったけど、まだカーテンが閉まってて中に入れない。
桜「どのへんなんだろう？？」
桜さんがスマホで京セラドームの座席表を検索し始めた。
桜「うわー、1列目より前にアルファベットの席がPまである。
肉眼で見える距離だとは思うけど、
うずもれちゃうかも・・・。」
桜さんが座席表を見せてくれた。
確かに、微妙な席だ。
気づいてもらえないかもしれない。
『ごめんね。』
だけでも潤に伝えたいのに。
3列目でも十分いい席なのに、期待してしまった分、ショックが大きい。
「期待しない方がよさそうだね・・・。」
桜「きっと見つけてくれるって！」
「でも、私が今日来てること彼は知らないよ。」
桜「前の携帯の電源入ってるなら、電話してみるとか。」
確かにロックがかかってても、かかってきた電話にはパスワードなしで出られる。
「出てくれるかな？」
桜「あ・・・ごめん、ダメだ。
わたし、Aさんと連絡付かなくなったときに何回も電話かけたけど出なかった。」
「・・・そうなんだ。」
桜さんの名前が表示されてても出なかったのか。
彼の几帳面さが裏目に出る。
「今日、気づいてもらえなかったら手紙書く！」
桜「うん！ それがいいよ。
会いにいけなくても、このまま音信不通よりはずっといいよ。」
桜さんが自分のことのように嬉しそうな顔をする。
ほんとに潤のことが好きなんだ。
自分のことよりも潤の幸せを願ってる。
私もリスクよりも、潤の気持ちを大事にするべきなのかな。
一方的に謝って終わりにするんじゃなくて、
ちゃんと潤の今の気持ちを聞こう。
そう決意したら、気持ちが軽くなった。
「せっかくコンサート観れるんだから、楽しまなきゃ損だよね。」
桜「うん！」
少し待つとやっと会場内に入れた。
.
96 ― ペンラの海 ― 9/8→←94 ― 一途な人 ― 8/30
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 578人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なな♪(プロフ) - madelaineさん» ありがとうございます。<(_ _)> 楽しんで頂けて嬉しいです。 次のお話も楽しんで頂けるといいなぁ。*^-^* こちらにお知らせ入れますので、もう少しお待ちください！ (2020年10月26日 14時) (
レス) id: 6f76462c2d (このIDを非表示/違反報告)
なな♪(プロフ) - りえさん» ありがとうございました！ 私の場合、お話を書きたいというよりは、潤君を幸せにしたくて書いてるだけなので、私の作品はすべてハッピーエンドです。(笑) 次のお話もこの続きなので、もう少しお待ちください！(^o^)/ (2020年10月26日 14時) (レス) id: 6f76462c2d (このIDを非表示/違反報告)
なな♪(プロフ) - あんさん» ありがとうございます！*^-^* 37歳のハピバもこちらの二人ですので、もう少しお待ちください。←まだ下書き真っ白だけど(笑) 頑張りまーす！p(^-^)q (2020年10月26日 14時) (レス) id: 6f76462c2d (このIDを非表示/違反報告)
なな♪(プロフ) - mominoさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました。*^-^* 楽しみにして頂けて嬉しいです。(≧▽≦) 37歳のハピバもこちらの続きです。もう少しお待ちくださいね！(^o^)/ (2020年10月26日 14時) (レス) id: 6f76462c2d (このIDを非表示/違反報告)
madelaine(プロフ) - とっても楽しみに拝見していました。次のお話も待ってます。 (2020年10月14日 20時) (レス) id: 150f776925 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なな♪
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nana2011/
作成日時：2020年3月11日 20時
