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海外にいる、ヌナのお兄さん。練習生になってからなかなか会えなくて、送られてきた絵はがきを、大事そうに手帳に挟んでいた。お兄ちゃんにまたピアノ習おうかなと言って恋しそうに笑うから、その日は辞めないでって言わなかったんだ。チソンの頭を撫でながら、急に出てきそうになる涙をぐっと堪えた。
「テヨンイヒョン、」
「うん？」
「ヌナと一緒が良いです」
「…うん、俺も」
『ぼ、僕も！』
「うん、分かってるよ」
ドアが開いて、さっき先生たちと一緒に出て行った、ヌナのレッスンをよくしていた人が、僕たちを見てドアを閉める。Aは？とテヨンイヒョンに聞いて、外にいますと返事をした。
本当に、本当に突然決まったことなんだって。Aが泣く理由もまだ受け止められていない人がいるのも分かるけど、もう決まったことだから、やるしかないんだって。嫌な人はそれで良いって、ヌナがここに残るのに、誰が嫌なんて言うんだろう。僕らみんな、ヌナがいない方が寂しいのに。
「A、せっかく逃げられたかもしれないのにね」
ドアが閉まった瞬間にテンヒョンがぽつりと声を出して、少しだけ呆れた顔をして、隣にいたジャニヒョンが眉を下げて笑う。少しだけ目を閉じて、僕らがみんな集まっているのに、静かな練習室で耳を澄ます。深呼吸をする。
「何してるの？」
『…ジェノ、ヌナここに来てくれるんだって』
「うん、今それ話してるよ」
『これからもヌナと一緒なんだって』
「そうだよ」
『なんか、まだ何も分かんないけど、嬉しいから』
そう言った声が思っていたよりも大きくて、みんなの顔がこっちを向いていた。なんだ、結局自分はずっと、寂しかったんだ。はじめて会った頃から大好きで、いつだって伸ばせば握ってくれた手を、離したくなかったんだ。テヨンイヒョンがにこりと笑って、僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「あ、そろそろ帰ってくるね」
『わかるんですか？』
「うん、すごいでしょ」
まるで僕と同い年のようにヒョンが笑えば、本当にドアが開いて、ヌナが戻ってきた。目は赤くて、それでもさっきよりも顔は晴れていて、テヨンイヒョンが手を広げた先に、真っ直ぐに飛び込んでいく。
後で僕も抱きしめてもらおう。これからもずっと一緒にいようねって、泣いちゃう前に約束するんだ。マクヒョンよりも早くにね。
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奈胡（元jen）(プロフ) - 品があって優しくて儚くて…何度もいろんなメンバーとのやり取りを読み返しています これからも楽しみにしています⭐︎ (4月30日 2時) (
レス) @page32 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
yom(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» ありがとうございます🥹これからも頑張ります❕ (8月11日 21時) (レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 何ですかこの素晴らしい世界観は！！！！！主人公へ向ける感情などが伝わってきて最高です！！！続き待ってます！！！！ (8月11日 12時) (レス) @page10 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2023年6月28日 18時
