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いつの間にか合流していたウィンウィンが、ぷくりと頬を膨らませる。指で突いてみたら空気が抜けて、顔がこっちを向いた。
「なんですか」
『ううん、可愛いなって』
「一応拗ねてるんだけど…」
『それはジェヒョニに言ってよ』
「ウィンウィンもドーナツ食べる？」
「ドーナツ？Aに持って行くの？」
「うん、クリームのやつ」
ご飯を食べている間もジェヒョンはぽやぽやとしていて、マークが不思議な顔をする。それなのにドーナツ屋さんに行けば誰よりも真剣にショーケースを見ているから、テヨンイヒョンに教えてあげた。
「眠り姫は甘い匂いで起きるかな」
『眠り姫？』
「Aのこと」
『ヒョンもあの場所知ってるの？』
「知ってるも何も、教えたのは俺だよ」
秘密だよと言われたから、首を縦に振る。俺がここに来た時にはAとテヨンイヒョンが話しているのをよく見かけて、似てるなあなんて思ってたけど、自分はまだ、知らないことがたくさんあるのかも。ドーナツが入った袋をジェヒョンが両手で抱えようとするから、つぶれちゃうよと声を掛けた。
「Aここで寝てるの？」
「ウィンウィンも今度一緒に寝よう、あったかいし」
『3人で溶ける気なの？』
「溶ける…？」
『ううん、こっちの話』
Aのいる場所に戻って来たら、チョコレートの包み紙がテーブルに増えていた。今はAしかいないけど、そこには確かに、誰かがいた跡がある。太陽は少しずつ傾いていて、顔にかかっていた前髪を、ジェヒョンが指で避けた。
「Aは俺のこと、あったかい湯たんぽみたいに思ってるだけだよ」
「湯たんぽ？」
「誰といるかとか、誰と寝てたのとか、気にならない訳じゃないけど」
『…それは正直、ややこしくなりそうなんだけど』
「俺たち以外ダメですよ、ほらA起きて」
ウィンウィンが肩を揺らして、ゆっくりAの目が開く。体を起こせばブランケットが落ちて、ジェヒョンがそれを拾いながら隣に座る。まだ寝惚けているのか少し掠れた声でドーナツと言えば、膝の上に袋が置かれた。目を細めて笑った時、直感的に似てると思った。秘密だよと、言われた顔と。
「Aこれ、元々持ってたの？」
「ああ、もらったの」
「誰に？」
「えっとね、通りすがりの猫ちゃん」
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奈胡（元jen）(プロフ) - 品があって優しくて儚くて…何度もいろんなメンバーとのやり取りを読み返しています これからも楽しみにしています⭐︎ (4月30日 2時) (
レス) @page32 id: 8b083b7e19 (このIDを非表示/違反報告)
yom(プロフ) - 本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好きさん» ありがとうございます🥹これからも頑張ります❕ (8月11日 21時) (レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
本屋と図書館とガソリンスタンドの匂いが好き(プロフ) - 何ですかこの素晴らしい世界観は！！！！！主人公へ向ける感情などが伝わってきて最高です！！！続き待ってます！！！！ (8月11日 12時) (レス) @page10 id: b9b005fe2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2023年6月28日 18時
