未練、想い【五条悟】 (ページ45)

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シャワーから上がって少ししたら「ただいまー」と玄関から声がした。

『おかえり、早かったね。』

「あぁ…、後は傑にお願いした。
それより体はもう大丈夫？」

『大丈夫、いろいろ迷惑かけてごめんね。』

「元々は僕が悪かったから謝らないで。」

なんとも言えない微妙な空気が流れる。

『…今日は帰るね、みんなのおかげで明日は学校行けるから。』

「……そっか、良かった。本当にどうしようかと思った。」

『…ごめんね、』

本当に心配してくれたんだろう。
五条を見てて胸が苦しくなる。

「A、」

ぎゅっと抱きしめられる。

『ご、五条…、昨日から変だよ。どっか打った？』

「…名前で呼んで、昔みたいに悟って呼んで。呼んでくれないと離さない。」

『…呼べないよ、』

「昨日は呼んでくれた。」

『仕事だったからだよ。』

さらに力を込められる。痛いぐらいに強く。

「…どうしたらいいのかわからない。Aが好き。ずっと、今日までずっと好き。

…死んだらどうしようかと思った。すごく心配した。無理させた僕が悪いんだけどね。」

体が離れ、いつもの目隠しを取り、真っ直ぐこちらを見つめる。

「Aが好き。ずっと好きだった。やり直してほしい。」

『…五条の事は好きだよ、でも自信ない。』

もちろん五条の事は好きで、今も恋に焦がれてて、未練タラタラだし。

以前喧嘩した時は忙しさからくる疲労で自分勝手になってしまった。

それ故に傷付けてしまった。

『…また傷付けてしまうのが怖い、自分が傷付くのも怖い。』

今はあの時以上にお互い忙しい。
付き合ったとして、またすれ違いの生活が始まった時の事を考えたら今の関係を失うのも怖い。

呪術師じゃなかったら上手くいってたのかなぁ。

「何年もずっと考えた。僕だってAを傷付ける事が怖い。
……でももう傷付けないって約束する。僕自身ももう傷付かないよ。」

『ふふ…なにそれ。縛り？』

「縛りにするのは怖いから約束にして？」

五条の優しい顔が好きだ。

…私ももう傷付けない。ずっと笑っていれるようにしたい。

「だからもう一度付き合ってほしい。それでAが嫌だったら振ってくれたらいい。だめかな？」

『だめじゃないよ…、こちらこそよろしくお願いします。』

「…ありがとう、大好き。」

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