未練、想い【五条悟】

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ー貴方sideー




目的地に到着。




「あのフェリーが会場です。本当に気を付けてください。
…後、2人ともお綺麗です。」

『ありがとう、伊地知。』

「帰りの迎えはいーよ、2人で帰るから。」




夜遅くなるだろうし、伊地知も明日仕事だもんね。


…よし、と気合を入れる。




「さぁ、行こうかA。あ、これカバンに入れといてくれる？流石にサングラスは不自然でしょ？」

『そうだね、でもしんどくないの？』

「心配しなくても大丈夫。行くよ。」




軽く腕を組み受付へと進む。

問題なく中へ入れた。



中は沢山の人で賑わっている。

みんなハイブランドを纏って、品のある話し方。




「僕から離れないでよ。」

『悟こそ離れないでよね。』




しばらくしてフェリーが動き出す。

…陸が見えなくなるほど遠くへと。



ﾊﾞﾁ!




《只今、波の影響により館内が停電しております。
復旧までしばらくお待ち下さい。》




アナウンスと同時に寒気。呪霊の気配。
見えないけど感じる、大量に放たれたと。




「…来たね、Aは一般人をお願い。僕は呪詛師を追う。」




騒つく館内。真っ暗で私には何も見えないけど、五条にはきっと見えている。

パッと離された手に寂しさを感じながらも帳を下ろし一般人に結界を張る。



しばらくして電気が付いた。

…見えれば私のターン。


呪霊に対し結界で覆い、結界ごと消滅させて祓う。


2級か1級の呪霊ばかりで、一般人を守りながら祓ったので呪力がかなり消耗された。



五条の残穢を追いかける。




「あれ、終わったの？」

『…五条も終わったんだね。』




倒れ込む呪詛師。



『生きてる？これ。』

「あぁ、気を失ってるだけだよ。コイツが主犯みたい。関係者全員その場に倒れてるよ。」

『すご…お疲れ様。
……呪力消耗し過ぎた、早く帰ろ。』

「最後に一仕事頼める？この船全体を覆って。」

『鬼畜か…できるよ。』



言われた通り船全体を結界で覆う。



「じゃ、いっくよー！」



運転手ももちろん仲間なので気を失ってる。
そこで術式。港へ瞬間移動。



《館内で異常事態発生のため速やかに帰宅してください。》



アナウンスでそう伝え、乗客が出て行ったこと確認。
待っていた呪術師関係者へ呪詛師を引き渡す。

多分この呪詛師は尋問後処刑。



「帰ろっか、A。」



ｹﾞﾎｯ、

手で口元押さえるも指の隙間から垂れてくる。



『…なにこれ、血？』

「…すぐ硝子のとこ行こう。」

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