部屋の中 ページ11
ー廊下ー
〈ジャックハートside〉
賑やかな部屋決めが終わって、俺は今、決まったばかりの部屋に彼女を寝かせようと、廊下へやってきていた。
Mr,V 曰く、男女の部屋の境目の…これこれ。
この蝋燭台を下に向けると部屋が開くらしい。
…でもこれ、下に向けたら蝋が垂れてこないのかな？
そんな疑問がふっと湧く。
俺、ただでさえ彼女をお姫様抱っこしてるから身動き取りにくいのに、これで蝋が指にとか言ったらキレるよ？
蝋燭立てを鎌でスパーンだよ？
そんなくだらない思いを浮かべながら蝋燭立てに手をかけ、下へ向けると…なるほど。
蝋燭立てがドアノブのような外見に変わり、それと同時にガチャという鍵が開く音がした。
もちろん、俺の手は無事。
でも、どのタイミングで鍵が閉まるのかが分からなかったから、そそくさと部屋の中へ足を踏み入れた。
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ーAの部屋ー
部屋に入ってまず見えたのは階段だった。
とは言っても少ない、5段だけの階段。
そこを上がっていくと一気に目の前が開けて、階段の目の前にあたる右側にはソファーやテーブルの姿が見えた。
さらに、死角となる左手には大きな天蓋付きのベッド。俺はそこに彼女を寝かせると、もう一度、慣れないその部屋を見渡した。
そしてその瞬間、息を飲んだ。
ジャック『すげぇ…本の山だ…』
そう、俺の視界に見えたのは壁一面の本の姿と、その本を取るための、ベランダみたいな、ロフトのような少し広めのスペースの姿。
それはまるで野獣が美女のために贈ったお城の図書室のようで、おれたちヴィランズには、なかなかないセンスの部屋だった。
俺はその時、彼女を部屋に運ぶ際にMr,Vに言われた言葉を思い出した。
Mr,Vは 彼女が眠っていても、この部屋の内装は全て彼女の世界からできたものであると言っていた。
通常、俺たちの部屋の内装は、全て、自分達の世界から連れてこられた景色や風たちが家具などに変化したものだから、この部屋はきっと彼女の世界なのだろう。
それが俺たちみたいな現実から作られた物なのか、強い願いから作られた物なのかは分からないのだが…。
俺には、なんだかこの部屋から感じる彼女の心が寂しがっている気がして、気がつくと眠る彼女の手を握っていた。
ジャック『俺…君と話してみたいなぁ…。大丈夫、怖くないから…俺がそばに居るから…だから目を開けて…。』
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スペード(プロフ) - いつも素敵な、作品を読ませてもらってます。更新、大変だと思いますがこれからも頑張ってください！ (2016年10月11日 21時) (
レス) id: b4e230976c (このIDを非表示/違反報告)
ヴィオラ - Jさんへ。ご指摘ありがとうございました。普通に入力ミスです。直しておきますね！これからもよろしくお願いします！ (2016年9月26日 23時) (レス) id: 5e03c6ee4b (このIDを非表示/違反報告)
J - 勘違いだったらすいません、saidじゃなくて、sideじゃないんでしょうか…。 (2016年9月26日 22時) (レス) id: 3245dff5ee (このIDを非表示/違反報告)
D&アニオタ - 私、ジャックハート好きなんです！ 更新楽しみにしてます！ 頑張って下さい。 応援してます (2016年9月6日 20時) (レス) id: e287c36ac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヴィオラ | 作成日時：2016年8月12日 11時
