02:帰還 ページ3
†††††
「ぜぇー…ぜぇー…」
「はぁ…はぁ…」
「何でお前が疲れるんだよっ!」
今の状況下、赤髪の彼は思わずっ込まずに入られなかったようだ。
全力で走ったのにも関わらず全力で突っ込むとは…なんだか悲しい性である。
「すいません。今日はちょっとわけありで…」
「たくっ……まあ助かったわ…Thanks」
「いえ…僕も助かりました。ありがとうございます。それともうひとつお願いが…」
「あ゙ぁ…?」
さっきので喉をやってしまったのか、チンピラみたいな返答になった彼はもはや"そのもの"だった。
知らない人間がいたら確実に逃げ出しそうな声。
だが水色の彼は引きはしなかった。
「近くに村はないですか?」
むしろ押してきたぐらいだ。
「あるけど…」
「すいません…お昼からなにも食べてないんです…村につれてってください…」
(そう言えばやけに軽かったな…だからか?)
そんなことを思いながらあえて口には出さない。彼は口を開くと目の前の彼に問いかけた。
「まあいいけど…お前の名前は?」
「名前は自分から名乗るべきですよ」
体はヒョロヒョロなのに態度はしっかりしているんだな。
これが彼の感想だった。
「そうかい…俺は火神。火神大我だ」
「火神君ですか。わかりました。僕は黒子テツヤと言います」
「じゃあ、互いに紹介も終わったことだし…行くか」
「はい」
・
・
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・
月が随分と高い。
火神と黒子は暗い夜の道を歩き続ける。しばらくするとほのかに明かりが点っている小さな村についた。
「ここだ」
「ありがとうございます」
「気にすんなよ。俺もどうせ宿にいくところだったし、助けてもらった礼だ」
「……?」
「俺の住んでるところ…下宿先が宿屋だからタダで泊めてやるよ」
「あぁ…ありがとうございます」
隠れた月が道を照らし、彼らはあるいていく。村の中ではなかなか大きな家に向かって。
そこの看板には"宿"とかかれた文字。質素ながらもどこか暖かさを感じられた。
・
「……ただい…───」
火神が扉を開けた瞬間、飛んできたのはナイフ。投擲用の小降りなナイフだった。
それは火神の頬を掠り、新たに傷を作ると闇へと消えた。
火神の頬から赤い血がポツリと流れる。
「おっっっそいッ!このバ火神!」
扉の前には短い髪の女性。
・
年はまだ若いだろう。ウェイターの格好をしているところをみると宿で働いてる人らしかった。
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ラッキーアイテム
革ベルト
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ミコト宮地(プロフ) - あれ…この話前niconicoで見たことある…初めのプロローグ。 (2014年10月13日 21時) (レス) id: 310942e7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ののん*(プロフ) - とてもおもしろいです!心読み少女の夏休みも、更新楽しみにしてますね! (2014年4月23日 16時) (レス) id: 671cb3fac6 (このIDを非表示/違反報告)
びんこ - このお話が好きです! 頑張ってください (2014年4月19日 21時) (レス) id: a7e9759f2a (このIDを非表示/違反報告)
闇竜(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2014年1月30日 18時) (レス) id: dccfe97d53 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ@まるてと。嫁(プロフ) - わぁ~新作ですね(*´∀`)!!!!楽しみにしてますヾ(〃'v'〃)ノ (2013年7月3日 21時) (レス) id: 1d5613e612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゲームを作りたい月影 | 作成日時:2013年7月3日 19時