14:朝飯前 ページ15
そんな黒子の気持ちを察してかヒュウガは照れ臭そうにしながらその口を開く。
「もしも…監督がさ。火神の旅を認めなかったときはつれてってやってほしい。アイツに認められてるのはカイジョウのような二日で行けるところだけなんだよ。
そんな距離でもアイツは…兄弟を探している。お前といけば可能性は低いけど会えるかもしれないだろ?だから火神を頼みたいんだ。馬鹿で無鉄砲だけど…お前の力になるかもしれない」
「…みなさん…」
「まあその時は監督は俺たちに任せていろよ。それまではゆっくり休んでくれ。夜分にすまなかったな」
「わかりました。では僕は失礼します」
黒子はペコリとお辞儀をして部屋を出た。
ふと気がついた人の気配で下を見ると、火神が踞って座っている。時より、鼻をすする音が聞こえた。
「…火神君、こんなところにいては風邪を引きますよ」
「……うっせ…」
「……はあ…。僕のマントを貸します。君には膝掛け程度にしかならないかもしれませんが…」
「……」
「風邪を引かれては困りますからね。明日…っというか今日の朝にきちんとカントクさんに言いましょう。ダメだったときは僕が無理矢理、連れていきますから。僕を担いだり案内してください。お願いしますよ?」
パサリと脱いだマントを火神の頭にかけてあげると、黒子はその場を後にした。
火神が小さい声で呟いていたことなんか気づきもしないで。
「……っんだよ…」
その声は年頃の悔しさを含んだ声だった。
・
†††††
・
黒子は誰から起こされるわけでもなく、自分で起き上がると寝癖がついた髪をかき上げた。ボサボサの髪の毛のまま、洗面台に行き、冷たい水に顔をつける。
日の感じだともうずいぶん前に夜明けを過ぎているようで、むしろ昼に近い。
「…よぉ…」
「……おはようございます…火神君」
「……これ…洗ってやったから…」
差し出された物は昨日黒子が火神に貸したやつで、綺麗に洗われていた。昨日より黒が繊細に輝いている。
「……ありがとうな…」
「……まだですよ」
タオルで顔を拭き、鏡で自分の姿を確認した黒子。ハッキリとうつっていた水色の髪をどうにか元に戻しながら彼の口が開く。
「一緒に旅をすればそれをいっていいです。あれはあくまでも僕の気紛れですから」
「……一緒にカントクに殴られに行こうぜ」
・
「まだ朝食を頂いてませんから、嫌です…───…っと申したいですが、今回ばかりはそうはいきませんね。仕方がないことですが…」
・
ラッキーアイテム
革ベルト
14人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「二次創作」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミコト宮地(プロフ) - あれ…この話前niconicoで見たことある…初めのプロローグ。 (2014年10月13日 21時) (レス) id: 310942e7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ののん*(プロフ) - とてもおもしろいです!心読み少女の夏休みも、更新楽しみにしてますね! (2014年4月23日 16時) (レス) id: 671cb3fac6 (このIDを非表示/違反報告)
びんこ - このお話が好きです! 頑張ってください (2014年4月19日 21時) (レス) id: a7e9759f2a (このIDを非表示/違反報告)
闇竜(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2014年1月30日 18時) (レス) id: dccfe97d53 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ@まるてと。嫁(プロフ) - わぁ~新作ですね(*´∀`)!!!!楽しみにしてますヾ(〃'v'〃)ノ (2013年7月3日 21時) (レス) id: 1d5613e612 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゲームを作りたい月影 | 作成日時:2013年7月3日 19時