11:魔女の子 ページ12
「僕はこのキセキの獣に会うために旅をしています。でもさっきいった通り、僕が旅を始めたのはつい最近。持ってる地図の情報が10年前のまま止まっていては旅をしようにも出来ませんから…」
「ちょっと待てよ…なんでお前がキセキの獣を探してるんだよ」
「……それを話すには今からする話を聞いてください」
一呼吸をいれた黒子は、落ち着いた表情のまま辺りを見渡す。ろうそくで照らされている部屋は薄暗く、全員の顔色が悪いようにしか見えない。
もっとも悪く見えたのは黒子であるが。
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「…創成の魔女…彼女の話です。彼女は17年前に身ごもり、彼女の子供が生まれた時に子供と共にお城につれていかれました。
政治のために利用されていた彼女ですが、その国の各地に住んでいる6人の孤児を養子として、自分の子供のように育てました。勿論、我が子も大切に。
しかし、彼女の力は段々と弱くなりその数年後…子供達が6歳の時にあの戦争が始まりました。あとはみなさんのご存じの通りです」
誰もが静まり返る。その後のことは先程、小金井がいった通り、魔女の国は滅び、キセキの獣が各地に姿をくらませた。
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「しかし、表側ではそれだけで終わりですが、真実はそうじゃありません」
「……え…?」
「絵本では魔女の子供が殺されていましたよね?」
「あぁ…悪魔に連れ拐われて…死んだって」
「実はあれ嘘なんです。魔女が死に際に、彼を遠くに逃がしたんです。
───…その"彼"は今も生きています。魔女の血を受け継いだ子供が…」
「魔女の子供が生きてるのか!?」
「……はい」
「今どこにいるのッ!?」
誰も知らない事実を知った彼らは問いかける。それもそのはずだ。
それが本当であれば凄いことであるのだから。
全員の問いかけに困ったようにしていた黒子の口がやっと開いた。
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「……僕です」
「「「「…は?」」」」
「その創成の魔女の子供は僕なんです。信じられないと思いますが…」
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「「「「はあぁぁ────ッ!?」」」」
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耳を塞ぎたくなりような声は、宿に響き渡り叫んだ面子は互いにその口を塞いだ。
「ちょっ…ふざけてるのかよッ!」
「僕はいつでも大真面目です」
ふてくされた黒子は、右手を伸ばす。するとそこから火の玉を作り出し、さらには火の鳥に姿を変えさせた。
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それは並大抵の魔法使いができる技ではない。かなり高度な魔法使いが難関な公式を作ったことで発動される具現魔法だった。
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ラッキーアイテム
革ベルト
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ミコト宮地(プロフ) - あれ…この話前niconicoで見たことある…初めのプロローグ。 (2014年10月13日 21時) (レス) id: 310942e7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ののん*(プロフ) - とてもおもしろいです!心読み少女の夏休みも、更新楽しみにしてますね! (2014年4月23日 16時) (レス) id: 671cb3fac6 (このIDを非表示/違反報告)
びんこ - このお話が好きです! 頑張ってください (2014年4月19日 21時) (レス) id: a7e9759f2a (このIDを非表示/違反報告)
闇竜(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2014年1月30日 18時) (レス) id: dccfe97d53 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ@まるてと。嫁(プロフ) - わぁ~新作ですね(*´∀`)!!!!楽しみにしてますヾ(〃'v'〃)ノ (2013年7月3日 21時) (レス) id: 1d5613e612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゲームを作りたい月影 | 作成日時:2013年7月3日 19時