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【北斗】




樹とジェシーがいなくなってから、俺は樹からもらった本を開いてみる。






まだ頭はぼーっとするし、本を読む気にはなれなかったんだけど何となく見てみたくて。






その本は文庫本なんだけど、そこにはある一つの紙が挟んであった。






手紙....?






その手紙らしきものには『北斗、ゆっくりでいいから!焦らないで、ちゃんと整理が出来たらまた戻ってきてね。 樹』と短いけれど、しっかりと内容が伝わるもので。






どうして、こんなにも樹は優しいのだろうか。






俺がこの村に来た時は誰とも関わろうともせず、本当に暗くてつれないやつだったと思う。






印象は最悪できっと話しかけるなというオーラを存分に出していたはずなのに。






樹はそんな俺にも尽きることなく話しかけてくれた。






だから、こんなにも俺のことを気遣ってくれる樹を俺は一度だけ強く言ってしまったことがあって。






『樹は俺のことがそんなに気になる?あと数年すれば俺もここから出てくから最低限のものだけ用意してもらったらそれでいいから。』






今考えてみても、この言葉はとげがあって普通なら俺から離れていくだろう。







でも樹は『せっかくこの場所に来て出会ったんだから、仲良くしようよ。俺もわかるんだ。北斗の苦しみが。この家にいる全員が訳ありで皆、北斗と一緒。』やさぐれた俺にそう優しく言ってくれた。







そして樹は『お前は俺たちの家族だよ』って一言つけたしてくれて。







家族というものに暗いイメージしか抱いていなかった俺に一筋の光が差し込んだことを覚えている。







ずっと怖がっていた『お前』という言葉も樹や皆に言われれば優しい言葉へと変わっていったし。







正直、この場所に来てようやく本当の自分を見つけられたと思う。

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Nana6022(プロフ) - わらわそうさん» 突然、休んですみませんでした!ちょっとどんな風に書けばいいかわからなかったもので...。これからもぼちぼち進めていきますのでよろしくお願いします! (2020年9月29日 1時) (レス) id: e4a4cd1e16 (このIDを非表示/違反報告)
わらわそう(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます、とても嬉しかったです! (2020年9月29日 0時) (レス) id: 8ec50a30ac (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 続きが気になるのですが、もう更新されないのですか? (2020年9月4日 2時) (レス) id: cb5352d413 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nana 6022 | 作成日時:2020年7月5日 23時

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