二十六 ページ26
「いっ…」
挨拶合戦も終わり、教室へと入ったと同時に背中に衝撃が。
「………心配したんですけど。」
ふわりと香る土の匂いとわがままっ子の様な態度。
そんな後輩1人しか居ない。
「…喜八郎。」
元四年い組、現在は一年い組の綾部喜八郎。
「喜八郎、離れろ。」
そう言って私と喜八郎を引き剥がしたのは仙蔵。
「何ですか、立花先輩。」
不満そうに仙蔵を睨みつける喜八郎。
「Aが迷惑しているから引き剥がしただけだ。」
それに睨み返す仙蔵。
「喜八郎!ここにいたのか!」
…元四年い組、現在一年い組の平滝夜叉丸。
「A先輩、立花先輩。喜八郎が迷惑を…」
そう言い謝ろうとするのを仙蔵が制した。
「いや、いい。私も大人気無かったしな。」
「しかし…」
「仙蔵がいいって言ってるんだからいいの。分かった?」
「はぁ…喜八郎!教室に行くぞ!」
「やだ。」
「お前は子供かッ!」
ぶーぶー言う喜八郎を引きずって歩いて行く滝夜叉丸を見て、「保護者だなぁ…」と思った。
キーンコーンカーンコーンカーンキーンコーンカーン…おっと、授業が始まる。
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