【ダイヤのＡ】双子と野球

番外編：シスコンの理由 ページ13

＊理斗目線＊



僕は努力を積み重ねた野球の“達人”じゃなくて



ただ神様に才能を与えられた野球の“天才”だった。



ただ、それだけ



野球をやった当初は皆にもてはやされて優越感に浸っていた



だけどそんな優越感は直ぐに消えた



天才が努力して達人になったら



それは“脅威”でしかなくなる



そしてその脅威は皆から見れば蔑みの対象だった



【努力してねぇのにアイツは何でできるんだ】



―――知らないよ。僕が聞きたい



【何で、アイツばっかり才能が】



―――こんな才能、欲しいとは願ってない



【アイツには、どんなに努力しても追い付けない】



―――そうだね。否定しないよ



僕の才能は僕が努力を止めない限り開花し続ける



だから



僕は努力を止めた



練習に参加する事もなくなり、試合にだけ出場した



皆練習しない僕を怒らなかった



【努力を止めたアイツになら追い付けるかも】



皆がそんな希望を持っていたから



コーチも僕が練習に参加しない方が全体の指揮も上がるから



僕には何も言わなかった



だけど、そんな僕を怒鳴ってくれたのは



【何練習もせずに怠けてんだ!!】



当時別のチームに所属していたAだった。

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