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( わあ……すごい…… )
中に入ると当たり前だけど人が沢山いて、真ん中の方に勝利くんたちがいた。
勝利くんは真剣な顔をして、多分さっき撮ったばかりであろう写真たちをモニターで確認している。
( 声、かけられない )
家にいる時とは全く違う表情に私は思わずその場で硬直する。
勝利くん、仕事してる時、あんな顔するんだ。
勝利くんにスマホを渡しにきたことをすっかり忘れて、勝利くんの表情から視線を逸らせなくなった。
……ああ、ずるいな。
しばらくして、一通りの確認が終わったのか、キョロキョロと当たりを見回しだした勝利くん。
カチッ、と目が合って、その瞬間満面の笑みでこちらにやってくる勝利くん。
……いや、かわいいな。
「A〜! よかった! 迷わずに来れた?」
「えっ、ま、まあ一応……。あっ、これスマホ。これからは忘れないようにね?」
「はぁい。あっ、クッキーも入ってる!」
「ああ、うん。後でメンバーさんたちと食べてね」
私がそう言うと、勝利くんはとても嬉しそうに笑って「ありがとう」と言った。
……ていうか、すっごい堂々としてるけどいいのかな。
不安に思いながら「おいしい!」と一足先にクッキーを食べたらしい勝利くんを見つめる。
「あ、ちょ……。メンバーさんたちにもちゃんとあげてよ、?」
「分かってるって」
「……ほんとかな」
まあ、可愛いからいっか。
……なんて、あまいかな。
✕✕
終わり←○
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作者名:ぴのん | 作成日時:2021年5月28日 8時