6 ページ32
sideO
初めて会った人に
こんな風にご飯のお誘いをするだなんてした事なくて。
って言うか…口が勝手に言ってたみたいな。そんな感じで
急だったし迷惑かなって思ったけど
凄く嬉しそうな顔をしたから
ホッとしてつい、
「うん」って子供みたいな返事しちゃって慌てて言い直す。
でも
「もう、良いんじゃない？堅苦しいのは。ね？」
俺もその方が助かるし。って柔らかい表情で言われて
その表情にドキドキしながら家へ戻って。
それから
「好き嫌いってある？」
冷蔵庫の前に立って、ふと気が付いた事を聞いてみた
「んー、生モノはあんまり、かなぁ…因みに、俺居なかったら何作ろうと思ってた？」
ずっとオレの後ろを着いて来てた…二宮さんが急に隣に立って
ひょいとオレの顔を覗き込んで来て、
その近さに身体に火が付いたみたいに
熱くなる…
「えっと…、鶏肉と卵があったから、簡単に親子丼にしようかなって思ってた」
気持ちがバレないように顔を冷蔵庫の扉の方に向けて言えば
「じゃ、それで良いよ。なんか手伝う？」
優しい声が近くで響く
「でも…お客様なのに、「もう、お客じゃないでしょ？仕事は終わったんだから」
ふふっ、て息だけで笑って
「それに、時間、勿体無いじゃない？バスが来るまでそんなに時間ないんだから」
そう言われて
リビングにある時計を見るとバス停まで自転車で送っても
1時間と少ししかない
「…ん。」
身体が熱くて、なんか恥ずかしくて、でも……1時間と少し。
心の中でグッと色んな想いを閉じ込めて
「分かった。じゃ、玉ねぎを切るから、お肉の方をお願いしてもいい？」
「いいよ。」
二人で、狭いキッチンで親子丼を作る
シンクの真下、足元にはアレックスがいつもみたいに寝そべって
オレたちの様子を見てて。
「こいつ、いっつもこんな感じ？」
アレックスを跨いだ状態でダシと卵を混ぜてると
不思議そうに聞かれて
「うん。そうだよ…」
「いや、ホラ犬ってさ、食い気凄いし、飛びついて来たりすんじゃん。コイツしねーなって思って」
「うふふ…アレックスはそんな事しないよ。ね？」
こっちを見たアレックスが、当たり前だと言ってるみたいにクワァっとあくびをして目を閉じた。
「出来た！」
二人分の親子丼と味噌汁、お漬物をテーブルに運ぶと
久し振りに一人じゃないって感じて。
でも、それが
あと少しで終わるって思うと
凄く、寂しく感じてこの時間がもっと続けばいいのにって思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 257人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひろ(プロフ) - ちえさんさん» ちえさん♪ありがとうございますっ！漸く完結までたどり着きました。長かったですが私の世界をそんな風に仰って頂けるなんて光栄ですっ！！感謝いっぱいですっ！！ヽ(´▽｀)/ (2018年6月17日 10時) (
レス) id: e0ad014850 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - 完結おめでとうございます。朝から眼福(//∇//)。ひろさんが描く柔らかい世界が大好きです。ありがとうございました。 (2018年6月17日 9時) (レス) id: 36650d51ef (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - ちえさん♪コメありがとうございます。( ´ ▽ ` )うふふ。楽しんで頂けてるようで嬉しいですっ♪ゲリラ更新はまだまだ続きますからね。ドキドキしながら待っててくださいませ〜♪ (2018年6月16日 23時) (レス) id: 90dfdbb2ac (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - こんにちは、ひろさん。ゲリラでもなんでも更新は大歓迎です。楽しみにしてます。大野さんを誑かす？二宮さんが色っぽくて素敵です。誑かされる大野さんも、また、色っぽい・・(//∇//) (2018年6月16日 22時) (レス) id: 36650d51ef (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 雫さん» 雫さん♪コメありがとうございます♪お返事遅くなってごめんなさいっm(_ _)mにまにましてくださって良かったです〜♪また、いらして下さいませ〜ヽ(´▽｀)/私も雫さんのところに遊びに行くね〜♪ (2018年1月29日 11時) (レス) id: e0ad014850 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひろ
| 作成日時：2017年6月17日 0時
