優しい紫陽花【Ｍ×Ｎ】 ページ1
sideＮ
ポツリ
ポツリ
仕事の帰り道、あと信号２つ越えれば家に着くっていう時に
ポタリと肩に落ちた雨粒
まあ、このくらいなら、このまま走らなくてもいいかと思った刹那
ざぁっとバケツをひっくり返したような土砂降りに傘を持たないオレは、あっという間に全身ずぶ濡れで
流石にこれじゃヤバいと辺りを見渡すと、パッと目に飛び込んできた
赤い小さな屋根
そこがなんの店なのかも確認する間もなくその下へと逃げ込んだ
けれど
ガラス窓に背中を押し付けるようにして立っても、足元を容赦なく跳ねた雨粒が濡らしてきて
思ったよりも頼りない場所に逃げ込んでしまった事に苦笑が漏れた
「もう、このまま濡れて帰るか」
そう、独り言が漏れて、目の前の交差点、次の信号が青になったらここを出て行こうと心を決めた時
「あの、すみません。もし良かったら中、入りますか？」
雨の激しさとは対照的な優しい声が直ぐ隣から聞こえた
「え？・・・うわっ！」
横を向いた鼻先にぶつかったのは
紫色の・・・何？
びっくりして思わず仰け反ると
「っと、濡れるよ」
その紫色の向こうから急に手が伸びてきて
グッと腕を掴まれて引き寄せられる
ズボッと今度は紫色の…花びらと認識した物の中に身体が埋もれて
自分が一体どうなってるのか一瞬訳が分からなくなった
「あ、ごめん」
紫色の向こう側からなんとも表現出来ない不思議と柔らかな声が聞こえて
気が付けば見知らぬ男に
紫色の花と一緒に抱きとめられていた
「なん・・・？え？」
その状況をちゃんと理解する前に
「こんな所にいたら風邪ひくよ・・・こっち」
強引とも言える早業で
紫色の花と共にオレはガラスの扉の中へと押しやられた
「このままだと風邪引くから、取り敢えずそこのイスに座ってて。今、タオル持って来るから」
「え、あ・・・すいません。そんなお気遣いなく」
そう言った時にはもう、その男の姿はなくて
そして、店内を見渡して、漸くここがどんな店なのか分かった
薄暗いけど、むせ返る程の嗅いだ事のある甘い匂い
そう
ここは沢山の花々が溢れる花屋だった
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ひろ(プロフ) - ちえさんさん» ちえさん♪ありがとうございますっ！漸く完結までたどり着きました。長かったですが私の世界をそんな風に仰って頂けるなんて光栄ですっ！！感謝いっぱいですっ！！ヽ(´▽｀)/ (2018年6月17日 10時) (
レス) id: e0ad014850 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - 完結おめでとうございます。朝から眼福(//∇//)。ひろさんが描く柔らかい世界が大好きです。ありがとうございました。 (2018年6月17日 9時) (レス) id: 36650d51ef (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - ちえさん♪コメありがとうございます。( ´ ▽ ` )うふふ。楽しんで頂けてるようで嬉しいですっ♪ゲリラ更新はまだまだ続きますからね。ドキドキしながら待っててくださいませ〜♪ (2018年6月16日 23時) (レス) id: 90dfdbb2ac (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - こんにちは、ひろさん。ゲリラでもなんでも更新は大歓迎です。楽しみにしてます。大野さんを誑かす？二宮さんが色っぽくて素敵です。誑かされる大野さんも、また、色っぽい・・(//∇//) (2018年6月16日 22時) (レス) id: 36650d51ef (このIDを非表示/違反報告)
ひろ(プロフ) - 雫さん» 雫さん♪コメありがとうございます♪お返事遅くなってごめんなさいっm(_ _)mにまにましてくださって良かったです〜♪また、いらして下さいませ〜ヽ(´▽｀)/私も雫さんのところに遊びに行くね〜♪ (2018年1月29日 11時) (レス) id: e0ad014850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひろ
| 作成日時：2017年6月17日 0時
