君と僕。【フェイ】

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「───フェイってさ、なんにも覚えてないわけ?

なにもかも、さ」


「は?」


訳がわからない、なにも覚えていないのか、何て言われてもそれほど話したことはないと思う。


「............覚えてないんだ」


「なにをだよ」



雷門にきて日も浅く、尚且つそれほど話したことのない相手に覚えてないの、だなんて。



お酒のんで手をだしたおじさんかっつーの。



「............別に」



また、何処かへ行くんだ。



「............あのさ、僕が何かしたっていうの？


そんな記憶全くないんだけど。



なのにその態度って────」


「............な」


「聞こえないんだけど」


「うるっさいな、黙ってよ!?


なにもしてない、なにもしてないってさ............


あんたのせいなんだよ!!!!!


あの人も、あの人も、みんな私のことは忘れてさ、帰る場所もない............


意味わかんないよ!!!!!


私の人生あんたのせいでめちゃくちゃだよ!!


せっかくこっちにこれて嬉しかったのに、惨めな思いをしただけ。


フェイさ、自分は一人だ、なんて悲劇のヒロインぶってるけど

親は自分を捨てたとか思ってるけど



そっちの方が被害妄想も大概にしろだ、ばぁぁぁぁぁか!!!


すぐ近くにいるじゃん、見守られてるじゃん、愛されてんじゃん!!?


ほんと............ッ


意味わかんないッッ!!!!!」



長々と文句を吐き、出ていってしまった。


普通なら追いかけなければならないんだろうけど


手をつかんで引き留めなければいけないんだろうけど


今の僕は呆然とするしかなかった。



─────すぐ近くにいる？


─────見守られてる？



────────愛されている？


誰に


誰が?




僕は、





愛 さ れ て い る ?






「............フェイ、話が、あるやんね」

14→←12 xxx

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