沖田君は転生してヒーロー目指す2 【銀魂】【ヒロアカ】

準備 ページ6

とある一室から


ブン、ブンと勢いよく空気をきる音が聞こえてくる


かれこれ三時間くらいあの調子だ。

私、沖田ミツバはその音を聞いて少し暖かな気持ちになった。


「そーちゃん・・・頑張ってるわね・・・」


弟である沖田総悟が道場で素振りをしていた。

それは、剣道の初心者の私でもわかるくらいとてもきれいな素振りだった。


一振り一振りにブレがなく、力強い。


スッと目を閉じてみる。


目の奥に映されているのはあの時の最後の弟との会話。



『振り返っちゃ、ダメ・・・あの時決めたんでしょ？・・・自分で・・・あの時・・・

　自分で選んだ道でしょう？・・・だったら、謝ったりしちゃ、ダメ・・・

　泣いたりしたらダメ・・・

　 わき見もしないで前だけ見て・・・歩いていく

　あなたたちの背中を見ているのが好きだった・・・

　ぶっきらぼうで、ふてぶてしくて・・・

　それでも優しいあなた達が大好きだった・・・

　だから私、とっても幸せだった・・・

　あなた達のような素敵な人たちと出会えて・・・

　・・・あなたみたいな・・・素敵な・・・弟をもてて・・・

　そーちゃん。あなたは・・・わたしの・・・自慢の弟・・・よ・・・・』









今度こそ最後まであの子のそばで見守りつ続ける。



あの子がわき見をみないでまっすぐヒーローを目指せるように・・・・









『俺っ強くなる！ヒーローになって、姉上をっ姉上を守るっ！』









とっても優しい、私の自慢の弟・・・・









「そーちゃん。喉乾いてない？お水持ってきたわよ」



総悟は素振りしている手を止め、笑顔でミツバのもとへ駆け寄った。



「姉上！ありがとうごぜぇやす！」




その笑顔はとてもまぶしいものだった。

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