闇に焦がれる。【ONEPIECE】 (ページ24)

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ロビンの元まで駆け上がった下ではAがグラディウスの元まで駆け抜ける。Aの作戦を聞いていないロビンもAが何を考えているのかが分かった。不安の色を滲ませるバルトロメオに｢大丈夫｣と声をかけたのはロビンである。ロビンも不安はもちろんあるが、Aへの信頼も大きい。

｢連撃を以て一欠を為し、一欠を以て千丈の堤を斬る。曇一心流破壊術大刀殺し。｣

一直線に振り下ろされた刀はグラディウスを斬り、地面へも刃先がつく。鋭い勢いのまま下ろされた地点にピキピキとヒビが入る。そして、数多の毒針がAを襲った。足場が崩れていく中、バラバラになった地面を飛び越えて落下は免れた。

バリアで毒針からロビンを守っていたバルトロメオは再び歓喜した。おんおん泣いて心を震わせ、Aの身を案じて、興奮の冷めやらぬバルトロメオの顔は忙しない。

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｢トラ男の腕、取れてない？｣

王宮から飛び出してきたのはドフラミンゴとルフィ。そして片腕を失ったローであった。ロビンの声でローを下に投げ、それをロビンが能力で受け止めるが、ドフラミンゴがローを逃がすはずはなかった。小さくもまだ息のあるローにトドメを刺そうと構える。ロビンもローを受け止めた為、ドフラミンゴの攻撃への反応が遅れた。玉糸は真っ直ぐと2人を目指す。

｢黄昏時霊宝。｣

鮮やかな黄色に横一線の斬撃が現れる。その線を超えた時、ドフラミンゴの玉糸はAの斬撃で激しい衝撃音を立てて弾かれた。その時、初めて気付くのだった。隣に剣を構えたキャベンディッシュが立っている事に。手に持たれた剣は行き場をなくしたように中途半端に上げられていた。

キャベンディッシュはドフラミンゴの攻撃を防ごうと現れた訳だが、彼よりも先にAが防いでしまった為、自身の剣は行き場を失ったのだった。わなわなと震えるキャベンディッシュの頭の中は自分の人気を横取りされたスターさながらである。

元より彼は最悪の世代を好んでいない。自分の人気を奪った後輩達に理不尽な恨みを抱えているのだ。

｢ぼくの人気…｣とうつらうつらと呟くキャベンディッシュを無視してAはローの元へ駆け寄った。