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バルトロメオは歓喜した。それはもう盛大に。今世紀最大と呼べる喜びをその体全身で表した。わんわん泣いてキャベンディッシュに白い目で見られたが、それすらも気にならない。
「Aゼンパァァァァイ!!!かっこよすぎるべ〜〜!!」
4段目へと続くバルトロメオの作り出した階段に着地したAを見上げて声の限り叫ぶ。ルフィを狙ったグラディウスの攻撃はAにより阻まれた。苛立たしげに睨むグラディウスに向けられるのは温度のない目である。次第にそれは不機嫌なものへと変化した。原因は下で騒ぐバルトロメオだ。
「A!助かった!ありがとう!!」
ルフィの言葉を背に受けて、階段を駆け上がっていくルフィを一瞥した。Aがグラディウスから目を逸らした隙を狙って再びルフィに攻撃を向けるが、またもAの飛ばした斬撃でルフィに当たる前に終わる。
「ガキが…!」
「そのガキに二度も攻撃を防がれてる大人も滑稽だな。」
奥歯を噛み締め恨めしげに呟いたグラディウスの言葉をAは鼻で笑った。そうしている間にもルフィは確実にひまわり畑を目指す。もう一度ルフィへ攻撃を向けてもAに阻まれる事は明らか。
「お前程度の奴をルフィが相手にするはずもない。」
肩に刃を当てて挑発気味な言葉にグラディウスは青筋を立てた。敵の挑発に乗れば相手の思うツボだというのは彼自身も分かっているが、こんな少女にコケにされては黙ってられなかった。
「それを言うなら貴様らの方だ。若がガキ共の相手をすると思うか?」
何も分かっていないと内心で嘲笑った。ドフラミンゴも全員まるで分かっていない。この国にいるのは最悪の世代だともてはやされてるだけの海賊じゃない。そんな小さな枠組みに収まりきる相手ではないのを分かっていない。
「ウチの船長はこの時代の頂点に立つ男だぞ?お前ら全員頭が高ェ。」
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作者名:チョコレート | 作成日時:2021年12月11日 18時