闇に焦がれる。【ONEPIECE】 (ページ21)

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本音を言えばローは自身の手でドフラミンゴに一矢報いたかった。彼の愛した人物の本懐を遂げたかった。愛した人を殺された憎しみは13年間ずっとあった。刺し違えてでも討ち取るつもりでいた。

ローはAを重ねてた。誰か。他でもない自分に重ねていた。沼のような憎悪と殺意を宿した目をしていた。こいつも自分と同じでドフラミンゴを恨んでいるという事は言葉を交えなくても分かった。目は口ほどに物を言うとはこの事だ。

｢麦わら屋…｣

ロビン達と合流する地、4段目のひまわり畑を目指しながら口を開いたローにルフィは耳を傾けた。

スートの間で見たAをローは危ないと判断した。辛うじて己を保っているように見えた。手足を失い、目を潰され、それでも尚、鈍る事のない動きを見て恐ろしく思った。少しの刺激で保っていたものは全て消え去るだろう。目の前の男を殺す事のみ考えている様だった。

｢がらんどう屋…あいつほっといたら死ぬぞ。｣

ローの言葉にルフィの顔色は一変する。その顔を一瞥してローは言葉を続けた。

｢麦わら屋が来る前の、がらんどう屋を見て思った。あの戦い方は危険だ。あのままだったら、あいつ…本物のがらんどうになってただろ。人格もクソもなくなる。そうでなくとも、あのタイプは無意識の内に自己犠牲になる奴だろ。何だってする気だぞ。｣

｢忠告はしたからな｣と最後に付け加えたローの言葉に力強く頷いた。最後のものはパンクハザードでもハルから言われていた。

ルフィだってAの危ない所はよく知っている。感情の起伏が激しくないから尚更だ。勝手に動き回るのはルフィと似ている部分がある。ルフィと違って厄介なのは言葉に表さないところだ。