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｢Aの奴…機嫌悪くねェか？｣
｢あいつが上機嫌な時を見た事あるか？｣
｢いや、ねェけど……｣
スリラーバークを出航して数日後。Aとの関係は一向に良くならない。Aの無愛想な態度にも拍車がかかる。そんなAを案じるように吐いたウソップの言葉をゾロはぶった斬った。スリラーバークで何かあったのか、明らかにスリラーバーク以前よりも無愛想だが、通常運転といえば通常運転だ。
そんな2人の元に加わったのはブルックだった。
｢戦闘のない時の私は音楽家。心を元気にするには音楽が一番です。｣
この船では年長のブルックには他の面子にはない落ち着きがあった。年齢で言えばおじいちゃん。Aと並べば祖父と孫の完成である。だが＿＿
｢そんな無闇に近付かねェ方が……｣
そんなウソップの制止の声も虚しく時すでに遅しである。のこのことAに駆け寄ったブルックの細い体は地に伏した。大方｢来んな｣とでも言われたのだろう。回し蹴りを食らったブルックの見るに無惨な姿にウソップは心の中で合掌した。
･
｢難しいお年頃ですねぇ…｣
肉のない腰を擦りながら起き上がったブルックの隣に立ったフランキーにポツリと呟いた。
麦わらの一味の中でも大人組である2人。本来であればここにロビンも加わっておかしくないのだが、彼女は以外にもAに構う質であった。ロビンからしたら妹感覚なのかもしれない。
今までこの船には不在であった、一歩離れた位置から俯瞰する存在がブルックでありフランキーである。彼らのような存在がいなくてはもしもの時に調停できない。
小さな背中を眺める2人は完全に親のようで祖父の様であった。ブルックは徐ろにヴァイオリンを手にして音を奏でた。少女の気が少しだけでも落ち着けばと願って丁寧に音を奏でる。
瞬時に相手の機微を読み取り、それに合った音を奏でられるのは一重に生きた年月の長さがあったから。酸いも甘いも一通り経験してきている。もちろんAのような難しいお年頃も経験している。若い心は実に不安定だ。
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チョコレート(プロフ) - きゃーぽんさん» ありがとうございます！面白いと思っていただけるよう、これからも頑張っていきます！ (2021年10月18日 1時) (
レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白くて一気に読みました！これかも頑張ってください！ (2021年10月18日 1時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 水無月碧音さん» ありがとうございます！！まだまだ未熟者ですが、楽しんでいただけているようで私も嬉しいです！ (2021年10月16日 4時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - とっても面白いです！繊細な文章で、読んでいてとてもワクワクします！応援してます、頑張ってください!! (2021年10月15日 21時) (レス) @page17 id: 8595db9a5d (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 星猫さん» んー、結構色んなアニメ知ってると思います！ (2021年10月14日 16時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チョコレート | 作成日時：2021年10月12日 19時
