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｢＿＿おい。｣
フランキーが新しい船を作ってくれている間に寝泊まりさせてもらっている本社へ帰る道中見つけたのは、相も変わらず死んだ目で海を眺めているAだった。最も、ゾロは本社に帰っているつもり、であったが。この際その話はいいだろう。
Aは顔を確認しなくても相手が誰なのか分かった。相手の声もそうだが、少女に温度の無い声をかけるのはゾロだけだ。
Aのその死んだ目は人によっては不快感を覚えるだろう。何より、初めて会った時にゾロが感じたのは紛れもなくそれだったから。それは今も変わらない。別に少女の死んだ目の事を言っているのではない。居候としてこの船に乗って、一味と距離を取りたがり、馴染もうとすらもしない少女を好意的に思えなかった。
別に無理に親しくなれとは言わないが、少しくらいはいいではないか。
一時期旅を共にしていたビビも一味との線引きは上手かったが、彼女は差し伸べられた手を掴む事のできる女で、一味とも友好的な関係を築けただろう。
対するAは伸ばされた手を拒み、一味と関わろうとしてこない。
Aは疑う事から始まる。それは時間が経っても変わらない。優しさも親切も言葉も全て疑う。少女は猜疑心の塊なのだと思っていた。しかし、きっとそれは違うのかもしれない。いや、それもあるが、一番はそれじゃない。疑う事の底にあるのは不安や恐怖だったのかもしれない。
それが分かったのが今回の件だ。
CP9との戦闘の最中に少女が政府の実験体だった事を知った。
｢お前の人格とやら……あとどんぐらい残ってんだ？｣
ゾロは相手の為に自分を曲げるだとか、顔色を伺うだとかはしない。ゾロにとっては受け入れ難いものだった。自分は自分の精神をしっかりと持っている。故にこの質問ができたのかもしれない。
｢知らない。｣
しかし、Aから正確な答えは貰えなかった。口ぶりから本当に知らないのだろう。ゾロはAの隣に腰掛けた。お互いが口を開かず風の音だけが耳を擽る。何で隣にゾロが座ったのか、Aには分からなかった。Aはゾロに嫌われている自覚がある。同時にゾロもAに嫌われている自覚があった。
加えて、この前の事を謝罪するような人間でもない。大人げなかったとは思えども、その口から謝罪の言葉は出ない。何より、ゾロの謝る事でもない。
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チョコレート(プロフ) - きゃーぽんさん» ありがとうございます！面白いと思っていただけるよう、これからも頑張っていきます！ (2021年10月18日 1時) (
レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白くて一気に読みました！これかも頑張ってください！ (2021年10月18日 1時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 水無月碧音さん» ありがとうございます！！まだまだ未熟者ですが、楽しんでいただけているようで私も嬉しいです！ (2021年10月16日 4時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - とっても面白いです！繊細な文章で、読んでいてとてもワクワクします！応援してます、頑張ってください!! (2021年10月15日 21時) (レス) @page17 id: 8595db9a5d (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 星猫さん» んー、結構色んなアニメ知ってると思います！ (2021年10月14日 16時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チョコレート | 作成日時：2021年10月12日 19時
