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アラバスタに着くと、Aは下船を拒んだ。クルーは納得した。
ここまでの航海でAが戦えない事は分かってた。これから一味が向かうのは荒れた国。国民ですらも武器を手に取り血を流す戦場だ。そんな場所に少女が行っても死ぬ確率が上がるだけ。
かと言って、1人船に残すのも不安だ。何かあったら、なんてウソップの心配の声は当然無視された。
もしもの事を考えたらルフィらといた方が安全である。しかし、戦えないAを守りながら戦うなんて余裕が彼らにないのも確かな事。
彼らは海賊だ。当然、海賊旗を掲げてる。つまりそれはクロコダイルに限らず海軍にも襲われる危険性がある、という事。
それなら誰か1人を置いていく？無理だ。ただでさえ少ない戦力をさらに欠く訳にはいかない。誰もが頭を悩ませる中、口を開いたのは意外にもゾロだ。
｢こいつが自分で残るつってんだ。居候が海賊の戦いに参加する必要もねェ。｣
船にいた方が何だかんだ安全だとクルーも納得し、ナミは不安を胸に歩き出した。ゾロはAに怪訝な表情を向けて歩き出した。
･
｢A…大丈夫かしら？｣
砂漠を歩き始めて数分。早くもナミは船に置いてきたAが心配なようで、そっと後ろを振り返ってはもうすっかり姿の見えなくなったメリー号に乗ったAの身を案じた。
｢心配ねェだろ。｣
それに答えたのはゾロだった。一体何の根拠を持って言っているのだろう。そんなナミの視線を感じたらしいゾロは言葉を続ける。
｢あいつ、ただのガキじゃねェよ。｣
｢どういう事だ？｣という視線が一気にゾロに集まる。どこからどう見たってただのガキではないか。彼らのように戦える訳でも、何か特殊な能力がある訳でもない。
｢あいつ、刀隠し持ってやがるぞ。｣
｢刀！？｣
戦えもしない少女が？隠し持っている？ここまで来るのに数日。最もAと接触の多かったビビも気付かなかった。彼女の場合、そういった経験が欠けているのもあるかもしれないが、ナミやチョッパー、ルフィすらも気付かなかった。それが昨夜、初めてまともに接触したゾロが気付いたのだ。
隠し場所は背中。オーバーサイズのパーカーで上手いこと隠しているらしい。
｢それに、気配を全く感じない。｣
船内にいる時、彼らとAには物理的に一定の距離がある。それは、仮に相手が攻撃を仕掛けても致命傷を避けられる距離。
｢戦えない、じゃなくて、戦わない、のかもな。｣
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チョコレート(プロフ) - きゃーぽんさん» ありがとうございます！面白いと思っていただけるよう、これからも頑張っていきます！ (2021年10月18日 1時) (
レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白くて一気に読みました！これかも頑張ってください！ (2021年10月18日 1時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 水無月碧音さん» ありがとうございます！！まだまだ未熟者ですが、楽しんでいただけているようで私も嬉しいです！ (2021年10月16日 4時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - とっても面白いです！繊細な文章で、読んでいてとてもワクワクします！応援してます、頑張ってください!! (2021年10月15日 21時) (レス) @page17 id: 8595db9a5d (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 星猫さん» んー、結構色んなアニメ知ってると思います！ (2021年10月14日 16時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チョコレート | 作成日時：2021年10月12日 19時
