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｢ロビンの事情は分かったけど、Aはどうして連れて行かれたのかしら？｣
うーん、とナミが思考を巡らせるも答えは出なかった。周りも同じらしく、難しい顔をしている。
ロビンは海列車に乗って行ってしまった。サンジとそげキングが事のあらましを教えてくれた。しかし、この場にいないのはロビンだけではない。Aもいないのだ。聞けばAも海列車に乗っていたらしい。ロビンとの違いは気を失っていた事と別車両にいた事。
サンジは担がれて運ばれるAを見て何故もっと早くに見つけられなかったのだと悔いた。そして、昨日、船を降りた時に何故無理やりでも止めなかったのだと後悔した。
｢ロビンちゃんはAちゃんが一緒に乗っている事を知らねェようだった。｣
｢＿＿そもそも、私たちはAの何を知っているんだ？｣
そげキングは自分の言葉にダメージを受けた。知っている事、年齢と何かを抱えている事、それも何かは知らない。名前も本名は知らない。本当に無いのか、捨てたのかどちらかも分からない。
よって少女について確実に分かる事は年齢だけであった。皆もそげキングの言葉にダメージを受けているようだった。本人に聞いてもシカトをされた苦い思い出が蘇る。
｢私、Aが何が好きなのかも知らないわ……｣
｢出身も分からねェし……｣
｢身の上話ひとつもしてくれなかったな……｣
3人揃って落ち込み具合が酷すぎる。Aの過去に何かあったのは確かなのだが、それが何なのか分からないのだから知らない事と同意。彼らは少女について無知であった。知ったつもりでいた。だけど、何一つ知らなかった。Aが大声で叫ぶのも、怒った感情の中で泣いた顔をするのも、何も。
少女はがらんどうなんかではない。本当はもっと表情の豊かな少女なはずである。
ロケットマンは鉛のように重い空気が漂った。彼らのその気持ちでこの列車が沈んでしまうのではないかと心配した。
その空気を打ち破ったのは麦わら帽子の船長であった。
｢知らねェならよ！この戦いが終わったらAの事、教えてもらえばいいだろ！！何が好きなのかとか、何が嫌いなのかとか！｣
ロケットマンの空気が軽くなる。その男は一瞬で周りの空気を変えてしまう。それは、この男にしか使いこなせないテクニック。
モンキー・D・ルフィとは実に単純明快な男であった。
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チョコレート(プロフ) - きゃーぽんさん» ありがとうございます！面白いと思っていただけるよう、これからも頑張っていきます！ (2021年10月18日 1時) (
レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白くて一気に読みました！これかも頑張ってください！ (2021年10月18日 1時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 水無月碧音さん» ありがとうございます！！まだまだ未熟者ですが、楽しんでいただけているようで私も嬉しいです！ (2021年10月16日 4時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - とっても面白いです！繊細な文章で、読んでいてとてもワクワクします！応援してます、頑張ってください!! (2021年10月15日 21時) (レス) @page17 id: 8595db9a5d (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 星猫さん» んー、結構色んなアニメ知ってると思います！ (2021年10月14日 16時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チョコレート | 作成日時：2021年10月12日 19時
