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それは夕方の事だった。パンっとシャボンが割れるかのように2人は分裂した。
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怒声と悲鳴が鼓膜を指す。マストの上にいても聞こえる声に少女は眉をひそめた。うるさい、と。いつものふざけたものではないと察するに時間はかからなかった。
ボロボロな姿のウソップを抱えたチョッパーとルフィらが帰って来たのは一二時間ほど前。そして聞こえてくる怒声的にはウソップは目を覚ましたのだろう。揉めてる内容はこの船の行く末か。
喧騒に不快感を感じながらも、その渦の中に入ってどうこうしようとする気はさらさらなくて、むしろその中に新たに誰かが入れば余計にややこしくなるだけだともいう事を知っている少女は、この喧騒が過ぎ去るのを待った。
怒声か止み、不気味な静けさがメリー号を包んだ。そしてドアの開く音に視線を下に向ける。この船を降りる事を告げてウソップは地面に足を着けた。その後を追うかのように一味が続々と出てきた。
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決闘を挑んだウソップはルフィに負けた。当然と言えば当然の結果。ウソップ含め、皆が分かっていた事だろう。それをAは上から傍観していた。
その目には相も変わらず感情が映らない。個性豊かな面子の中でもウソップはお調子者のムードメーカーだった。そんな存在が輪の中からいなくなる事は寂しく思う。しかし、それはAを除いたメンバーだ。
別にAは寂しいとは思わない。いなくなるならば勝手にいなくなったらいい。
思い足取りで船内へと入って行くクルー。船長ですら、ふらふらとした頼りない足取りだった。
｢くだらねェ…｣
ボソリと呟いた少女の独り言は剣士の耳に届いていた。皆に続いて船内へと向かったその足が止まり、鋭い眼光がAに向けられた。この距離で聞こえたとか地獄耳かよ、と思いながらも少女もまたその目をゾロから逸らさなかった。
ドンッ！！という激しい音を立ててゾロは壁にその拳をぶつけた。
｢テメェ…本気で言ってんのか…？｣
｢私は冗談が大嫌いなんだよ。｣
AもAでストレスが溜まっていた。きっと今までであればわざわざ口に出す事はなかっただろう。
殺意ではない。敵意に近い。ゾロはAを居候として認めた。言い方を変えればこの船のお荷物として時に手を貸す事を認めた。だが、クルーとして認めた訳ではなかった。ゾロはAに仲間に対する情を感じた事が無かった。
ルフィが持ち込んだ面倒を背負ってやったに過ぎなかった。
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チョコレート(プロフ) - きゃーぽんさん» ありがとうございます！面白いと思っていただけるよう、これからも頑張っていきます！ (2021年10月18日 1時) (
レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白くて一気に読みました！これかも頑張ってください！ (2021年10月18日 1時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 水無月碧音さん» ありがとうございます！！まだまだ未熟者ですが、楽しんでいただけているようで私も嬉しいです！ (2021年10月16日 4時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - とっても面白いです！繊細な文章で、読んでいてとてもワクワクします！応援してます、頑張ってください!! (2021年10月15日 21時) (レス) @page17 id: 8595db9a5d (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート(プロフ) - 星猫さん» んー、結構色んなアニメ知ってると思います！ (2021年10月14日 16時) (レス) id: 077184ce48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チョコレート | 作成日時：2021年10月12日 19時
