食事*58* ページ9
しばらくして
「主殿」
一期さんの凛々しい声が、襖の向こうから聞こえてきた。
燭台切さん達は不安そうな表情をしたまま襖を見つめている。
「ご命令通り、この本丸に顕現されている刀は全て大広間に集めました。後は私と鳴狐と・・・主殿だけです」
『分かりました。行きましょう』
バクバク鳴る心臓を押さえ、立ち上がった、その時。
「・・・・おい」
そっと、服の裾を掴まれた。
その声は、布団に横たわっている大倶利伽羅さんのものだった。
「別に止めはしない。・・・・だが、無茶だけはするな」
『!・・・はい!』
彼の手を握って笑いかける。
大倶利伽羅さんは安心したように笑うとすぐに背を向けた。
・・・・ありがとうございます。
実はね、私がこんなにも必死に何かを成そうとするのは、これが初めてなんですよ?
命を懸けてでも何かを、誰かを守りたいと思ったのも。
貴方が無事に帰ってこいと言うのなら、私はその言葉を守ります。
何をしてでも、笑ってこの部屋に帰ってきます。
だから。
『いってきます』
「「いってらっしゃい」」
何も心配せず、楽にして待ってて下さい。
.
.
.
「あるじ」
大広間の前に着くと、鳴狐さんは一本の刀を私に差しだした。
大きさ的に打刀だろうか。
この刀、見たことあるような・・・・・?
だけど、鳴狐さんの刀ではないらしい。
彼の腰には、しっかりと本体がある。
というか・・・、
『二人共、どうして刀を二つ持っているんですか・・・?一つはご自分のでしょうけど・・・』
一期さんは短刀、鳴狐さんは大太刀を持っている。
二人とも、刀の種類が全然違うのに・・・・?
「主殿は無茶をなされるでしょうから、万が一の為にお借りしたのです」
「・・・鳴狐達だけじゃ守り切れないかもしれないから」
「主殿!絶対にその刀を離してはなりませんぞ!」
『は、はいっ!』
ぎゅっと貰った刀を握りしめ、大広間の襖に手をかける一期さんと鳴狐さんを見つめる。
お二人にそれが扱えるのかという疑問はさておき・・・。
「主殿、ご準備はよろしいですか」
「鳴狐達はとっくに出来てる・・・」
『・・・・・はい、大丈夫です!』
互いに顔を見合わせて笑う。
さぁ
主らしくあれ、私・・・・・・!!
153人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃ - っぐぅ…なんか辛くなってる…個人的ですがハピエン期待してます…(泣) (2023年2月11日 15時) (レス) @page29 id: eb220bc671 (このIDを非表示/違反報告)
こんるり(プロフ) - おぉぅ……!!辛い展開になっている…… 個人的にはハッピーエンドを期待しています!更新無理しない程度に頑張ってください!! (2020年1月10日 19時) (レス) id: 7bb9678102 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 緑@黒太宰さぁぁん!さん» コメントありがとうございます!更新頑張っていきます!! (2019年6月13日 15時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
緑@黒太宰さぁぁん! - 続編おめでとう御座います!久しぶりに見に来たら2が出ていて驚きました!うわぁぁ!!一兄達の関係や鶴さん、伽羅君続きが気になる…此からも更新頑張って下さい*^_^* (2019年6月8日 18時) (レス) id: a246b0d986 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みかづち | 作成日時:2019年6月1日 20時