1番ブースの恋【Yuto T】

Story 24 * yuto（n） ページ24

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盗み聞きなんて、趣味が悪いけど。




「優斗先生、」


「うわ！！那須、背後から声掛けてくんなよ！」




優斗先生の大袈裟すぎる反応をニコニコしながら見つめる、A。


そこには俺なんて一切映ってなくて。




「聞こえちゃったんですけど、……俺も見に行っても良いですか？」


「大会？」




大学野球、どんな感じか興味あって、とそれっぽい理由を付け加える。




『じゃあ二人で見に行く？』




それってデート？


なんて、何の気なしに言ったんだろうけど。




「はぁー？俺が頑張って試合するのに高校生の放課後デートなんて認めませーん！」



『デートじゃないです！……じゃあ、龍我ちゃんも連れて行きます』




そんなに必死に否定しなくても。


俺の事、そういうふうに見てないってわかり切っているはずなのに、やっぱり胸が痛む。




「えー、龍我絶対うるさいじゃん」


「何？二人がいいの？」


「べ、別に！」




優斗先生、悪い大人だ。


俺の反応を見て絶対楽しんでる。




『野球してる、優斗先生絶対カッコイイんだろうなぁ……』


「惚れ直すんじゃない？」


『へへ、もっと好きになっちゃいますね』




二人にバレないように、笑顔を貼り付けて、


悔しさを隠すように制服のズボンをぐしゃっと握る。


あーあ、シワになっちゃうなぁ。




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