7story ページ8
休憩中＿＿
「澄沢さんはどこから来たの―？？」
「趣味とかある！？」
「ツーピース好き！？」
転入したてのゆきは、クラスの人から沢山の目を浴びていた。
否。
クラスの人だけじゃなく、他のクラスの人からも。
「あいつじゃね、転入生。」
「うわ！メッサ美人やん！！」
そんな声が、頻繁に聞こえた。
そんな中、ゆき本人はというと…
こういった経験があまりないようで、しどろもどろしていた。
「あ、えと……。北海道から来ました。」
「「おおー！！」」
周りは、ゆきが声を出すたびに楽しそうにはしゃぐ。
逆にゆきは、不安そうな目をする。
「(自己紹介のときと、えらい違いだな。)」
楽しそうに周りがゆきと話してる中、春斗は考えていた。
自己紹介の時、ゆきはハキハキと物事を言う、根の強い子に見えた。
しかし今はどうだろう。
いろんな人からの質問に、おどおどしている。
そして、春斗には、もう一つの悩みが。
「(あの日の声は、澄沢さん、なのか…？)」
あの日、あの、初日の出の日。
あの時聞いた声とゆきの声が、あまりにも似すぎているのだ。
「(だけど今聞くのはやめた方がいいよな…
澄沢さん、こんなに囲まれてるし。)」
だが、それも過ぎる話。
ゆきが質問に答えていくごとに、周りの人は減っていく。
「趣味は特にありません。ツーピース…。
漫画もそんなに読まないです。」
「ふーん。」
「そっか〜。」
面白くなさそうに返事をする人たち。
聞くだけ聞いたら、皆元いた場所に戻っていく。
そこを見計らって、春斗はゆきに話しかけた。
「あの、澄沢さん。」
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作者名：キャンディット | 作成日時：2018年3月4日 14時
