5story ページ6
キーンコーンカーンコーン
「あ、チャイム鳴った。」
「ホントだ。じゃ、また後でな！！」
「(来なくていいわ。)」
悠羽は、高校２年生になってからよく絡むようになった。
来たのはあっち。
クラス替えが原因かはわからないが、悠羽は春斗のゆういつの友達。
中学から、そのまま一緒に高校に来る人が多く、引っ越ししてきた春斗には、馴染みにくい空気があった。
それを破ってくれたのが悠羽だ。
春斗と悠羽の過去は、機会があったら。
悠羽がいなかったら、今頃春斗は一人ぼっちだっただろう。
そういうことを考えると、春斗は悠羽に感謝しなけえればいけないのだが…
「((ニパァァァ」
「((ムスッ」
うまくいかないのが現実だ。
.
「席に着いたかー。」
先生の声とともに、ざわざわは消えていく。
「今日は転入生が来ている。」
再びざわざわ。
無理もないだろう。
この時期に転入生なんて、今時珍しい。
４月まで。
あと２，３ヶ月待っていることはできなかったのだろうか。
そしたら、みんながクラス替えだ。
その人も、みんなと同じスタートラインに立つことができる。
なのに今転入してくるなんて。
春斗はそんなことを考えていた。
「入っていいぞー。」
ドアに多くの視線がいく。
転入生を確認するために。
ガラッ
「ッ！！」
春斗は息をのんだ。
いや、クラスの全員が息をのんだ。
転入してきた彼女に。
彼女の全てに、クラス中が見とれた。
髪は腰辺りまであり、下の方で緩く結ばれている。
動くたびに、それがユラユラ揺れる。
華奢な肩に、細い足。
色はとても白い。
雪のように。
多くの視線を浴びる彼女は、凜とした声で言った。
「澄沢ゆきです。
短い間ですが、よろしくお願いします。」
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作者名：キャンディット | 作成日時：2018年3月4日 14時
