3story ページ4
風をきるように走ってる。
思いっきり。
何も考えずに。
ザッザッザッ＿＿
なんて爽快に走るのだろう。
春斗は、しばらく狐を眺めていた。
「ッ！！」
勢いよく走っていた狐だが、春斗の目線に気が付いた。
「あ」
いかないで、怖くないよ。
春斗の口からは、その言葉が出なかった。
かわりに、マヌケな声が出る。
狐は、春斗がしどろもどろしている間に、ものすごいスピードで逃げて行った。
「(逃げて当然、か。)」
狐が逃げた数秒後、初日の出が上がった。
一年で、一番最初の太陽。朝日。
「っ‥‥‥‥‥」
狐もこの太陽を見ているのだろうか。
ふと浮かんだ春斗の考えは、オレンジ色の空へ消えていった。
初日の出に願いを唱えると叶う、とかどーちゃらこーちゃらのを思い出して、春斗は願いを唱えてみる。
それから帰ろうとした春斗の耳に、ある言葉が入った。
.
「 秘 密 だ よ 」
.
「！！」
聞こえた。
確かに、いや、絶対に聞こえた。
小さく、今にも消えそうな声。
もしかしたら、なんて
「(ありえない、よな)」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「おい、カウントダウン、お前起きてたか？」
「あったりめぇだろw 一月一日になった瞬間、俺、ジャンプしたから。」
「ウソつけww」
「ホントだってばよー」
一月、初 学校
月曜日。
春斗は、頭を抱え、悩んでいた。
あの日の事に。
「(あれは夢…？)」
あの日から春斗は、残りの冬休みをエンジョイできなかった。
「んー。」
「春斗ーーっ！！！」
「うおっ！！」
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作者名：キャンディット | 作成日時：2018年3月4日 14時
