白銀の運命 (ページ21)

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20story ページ21

春斗は立ち尽くしていた。

スマートフォン片手に。

「えっと…本当にここでいいんだよ、な？」

地図を何度見直しても、場所は間違えてはいない。

春斗が来た所。

それは森だった。

悠羽にアドバイスをもらった後、春斗は早速ゆきに連絡しら。

良ければ家を教えてほしい、と。

(会うのをあんなに悩んでいたのに、連絡はできるという。変な話だ。)

ゆきからちゃんと返信がくるか、正直、メチャメチャ不安だった。

いろいろあったし。

でも、そんな春斗の心配が嘘のように、返信はきた。

文での説明と、ご丁寧に地図まで。

春斗は、それを見ながら進んだ。

そして、辿り着いた先が…

「森、なんだよな・・・」

そこら中に木があり、一度は行ってしまえば、絶対に出てこられなさそうな、そんなとこ。

狐が住んでるんだから、なんとなくは予想をしてた。

だが、ここまで深い森は、春斗も考えていなかった。

一体、どうしたらゆきに会えるのだろう。

そんなことを考えていたときだった。

ザッザッ＿＿

「っ！！」

春斗の目の前を、狐が通りすぎた。

あの日見た狐。
ゆきではなく、他の狐。

見間違えではなく、本当にいるのだ。

ザっ＿＿

まるで、春斗についてこいと言っているみたいだった。

春斗は、無意識に足が動いていた。