白銀の運命 (ページ19)

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18story ページ19

それから二人は無言だった。

観覧車は動き始め、地上へ戻った。

一言、二言、ボツボツと途切れながら会話をし、お互いの家に帰った。

ドサッ

「っああ～～～～～～～～～！！！！！！！！！！！」

家に帰るやいきなり、春斗は何かが切れたようにベットに突っ伏した。

「･････」

数分の時間。

春斗の頭の中には、今日一日の出来事がよみがえるかのように現れてきた。

一緒にアトラクションに乗ったこと。

チュロスを食べたこと。

ゆきが、自分から狐だと告白してきたこと。

どれも春斗には衝撃的で、全部を全部、受け止めることは出来なかった。

「マジ、か････」

予想はしてた。

こうなるだろうという未来の一つだった。

だけど。

それでも、驚いた。

驚きが大きすぎて、逆に冷静になってしまうくらい。

これからどうしよう。

どうやって接しよう。

そのことばかりが、春斗の中を回っていた。

＿＿＿＿＿＿＿＿

「行ってきまーす。」

次の月曜日。

「あー。今日、澄沢は休みだ。」

ゆきは学校に来なかった。

「うー。やっぱ、俺が原因かなー。」

「何がだよ。」

お昼休み。

お弁当を片手に、春斗はため息をついた。

隣には、悠羽が胡坐をかいて座っている。

二人でお弁当を食べる様子だ。

「今日、ゆき学校休んだじゃん？その原因。」

「いや知らないし。まず、お前が澄沢さんのことを名前呼びなのに驚きだわ。」

「仲いいから。」

「ウザ」

冷たく、キレッキレなツッコミを入れる悠羽。

どうでもいい話を聞くように、スルーしながら卵焼きを口にした。

「あ、うま。」

「やっぱ、顔合わせずらいのかな？」

「‥‥」

「休んだ原因が他のことっていうのは…」

「お前、熱でもあるんじゃね？」

いつもとは逆の、春斗がガンガン話して、悠羽がスルーするという、なかなか珍しいこの光景に、悠羽は戸惑ってしまった。

そりゃそうだろう。

ここにいる春斗は、春斗のようで、春斗じゃないオーラを出していた。